一見すると効率的に儲けられそうなレバレッジ型金融商品。しかし、思わぬ落とし穴が存在します。特に「上昇相場では利益が出るが、下落局面ではそれ以上に損をする」という性質を持つ商品には要注意です。本記事では、そのメカニズムと注意点をわかりやすく解説します。
レバレッジ型金融商品とは?
レバレッジ型金融商品とは、投資元本に対して複数倍の運用成果を目指す商品です。たとえば「日経平均ブル2倍ETF」などは、日経平均が1%上昇するとETFは約2%上昇します。
一方、日経平均が1%下落すれば、ETFは2%下落します。この「上にも下にも振れ幅が大きくなる」という点が、リスクでもあり魅力でもあります。
複利効果と下落時のダメージの違い
たとえば10%上昇してから10%下落した場合、元の価格に戻ると思いがちですが、レバレッジがかかっているとそうはいきません。仮に100万円を投資し、2倍のレバレッジをかけたとすると。
- 10%上昇 → 2倍で20%上昇 → 100万円 → 120万円
- 10%下落 → 2倍で20%下落 → 120万円 → 96万円
結果的に元本より減ってしまいます。これが「上昇した分以上に下落で損をする」理由です。
毎日の値動きに連動するリスク:ブル・ベアETFの特性
レバレッジ型ETFの多くは「日次リターン」に対してレバレッジをかけます。つまり、日々の変動に対して2倍や3倍の動きをする仕組みで、長期保有すると指数との乖離(リターンのズレ)が生まれやすくなります。
例えば、マーケットが荒れて上下に大きく振れた場合、たとえ最終的に指数が横ばいでも、レバレッジ型商品は損失を出すことがあります。この性質を「ボラティリティ・ドラッグ」と呼びます。
複利×レバレッジ=危険な掛け算
「上がった利益をさらに再投資してレバレッジをかける」戦略は、相場が右肩上がりのときは爆発的な効果を発揮します。しかし、少しの下落でも複利による元本増加が仇となり、大きな損失を招く可能性があります。
特に、個別株やCFD、FXでこの戦略を取ると、一時的な下落で強制ロスカットにかかるリスクもあるため、慎重な運用が必要です。
実際の事例:2020年コロナショック時のブル型ETF
コロナショックで大きく下落した2020年2月~3月、ブル型ETFに投資していた人の多くが大損しました。その後、相場が回復してもETFの価格は元に戻らず、資産を回復できないケースが続出しました。
このときも「下落局面でのレバレッジの破壊力」が注目され、短期投資に特化した商品の長期保有リスクが話題となりました。
まとめ:レバレッジ商品は短期投資向き。長期保有には向かない
レバレッジ型商品は、相場の方向性が明確なときや短期勝負には強い武器となります。しかし、上下に大きく動く相場では利益を出しにくく、むしろ損失が膨らむことが多いため、戦略的な使い方が求められます。
もし、YouTubeで見た「上がった分以上に下がる」商品の正体が気になるなら、それは高倍率のブル型ETFやCFDなど、レバレッジのかかった商品だった可能性が高いでしょう。

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