投資信託と株式は、どちらも資産形成のために利用される代表的な金融商品ですが、売買の仕組みには大きな違いがあります。特に初心者の方にとって、投資信託の「約定価格がその場で分からない」という点が不安に感じられるかもしれません。本記事では、その理由や背景、投資判断に役立つポイントを詳しく解説します。
投資信託と株式の売買方法の違い
株式は証券取引所でリアルタイムに取引されており、「成行」や「指値」などで価格を指定して注文が可能です。市場での需給によって秒単位で価格が変動し、約定価格(実際に取引が成立する価格)はその場で確定します。
一方で投資信託は、通常「1日に1回」その日の終値などをもとに算出される基準価額(NAV)で売買が行われます。つまり、注文を出した時点では価格が未確定で、注文締切後に価格が決まるのです。
なぜ投資信託の価格はリアルタイムで分からないのか?
投資信託は複数の株式や債券、不動産などを組み合わせたパッケージ商品です。その評価額(基準価額)を出すためには、すべての保有資産の市場価格を集計する必要があります。そのため、一日の取引終了後に計算されるのが一般的です。
このような方式は「一物一価」の原則を保つことや、投資信託の公平性を確保する目的もあります。リアルタイム価格の提供は、制度上も運用コスト上も現実的ではないため、株式とは大きく異なる特性を持っています。
投資信託の約定タイミングと確認方法
投資信託の約定日は通常「発注日の当日または翌営業日」、価格が確定するのは「当日夜または翌日朝」となります。たとえば、平日の15時までに注文した場合は当日の基準価額で約定、15時以降であれば翌営業日の基準価額になります。
証券会社のマイページやアプリでは、注文後の「約定予定日」や「基準価額通知メール」で価格を確認できます。価格が分かるまでのタイムラグがあることを理解したうえで、冷静に取引に臨むことが重要です。
投資信託の注文タイミングはどう決める?
リアルタイムに価格を指定できない投資信託では、以下のような工夫が必要です。
- 基準価額の推移を予測する:過去のチャートや市場全体の動向から翌日の動きを予想。
- 積立投資でリスク分散:毎月決まった日に一定額を投資することで、購入価格を平準化。
- 基準価額の速報を見る:午後のマーケット動向やニュースをチェックし、その日の価格変動を予測。
たとえば、日経平均株価が大幅上昇した日は、日経平均連動型の投資信託の基準価額も上昇する可能性が高いです。このように、市場全体との連動性を意識して注文するのがコツです。
初心者が覚えておくべきポイント
1. 投資信託は「価格指定」ができない:基本的に成行注文と同じで、注文時点では価格が不明です。
2. 約定タイミングに注意:注文締切時間や約定日を確認しないと、想定外の価格で購入することもあります。
3. 長期視点が前提:投資信託は中長期で資産を積み上げる商品であり、短期売買には向きません。
まとめ:投資信託の特性を理解し、目的に応じた選択を
投資信託は、約定価格がリアルタイムで分からないという株式とは異なる特性を持っていますが、その分リスクを抑えた長期運用が可能な金融商品です。リアルタイム取引に慣れている人には不便に感じるかもしれませんが、「時間分散」や「コスト分散」といった利点も多く存在します。
市場動向を読む力と長期的な視野を持つことで、投資信託も有効な資産形成の手段となり得ます。しっかりと制度を理解し、自分の投資スタイルに合わせて活用していきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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