新NISAの年間投資枠と非課税保有限度額を正しく理解するためのポイント

資産運用、投資信託、NISA

2024年から始まった新NISA(少額投資非課税制度)は、制度の大幅な拡充により、多くの投資家がより自由に長期の資産形成を進められるようになりました。特に「年間投資枠」と「非課税保有限度額」の関係を正しく理解することが、制度を最大限に活用する鍵となります。

年間投資枠は毎年1月にリセットされる

新NISAでは、積立投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、合計で最大360万円まで投資が可能です。この年間投資枠は、NISA口座の開設時期に関わらず、1月1日から12月31日までの1年間でカウントされ、翌年1月になると再び満額にリセットされます。

たとえば、2025年の途中で口座を開設しても、2025年中に最大360万円を投資可能で、2026年1月には再び360万円の投資枠が与えられます。

年間投資枠を売却しても「枠の再利用」はできない

新NISAでは、非課税で保有できる投資額の「上限=非課税保有限度額」が1,800万円と定められています。しかし注意したいのは、売却しても投資枠は復活しないという点です。

たとえば、ある年に360万円投資し、その年のうちに全額売却したとしても、その年の投資枠を使い切ったことになり、翌年まで再利用はできません。

非課税保有限度額1,800万円の正しい意味

この1,800万円は、累積の買付額ではなく“非課税で保有している投資信託や株式の時価の合計額”です。つまり、売却すればその分保有限度額が空き、翌年以降にまた投資が可能です。

たとえば、2025年に360万円投資→2026年に全額売却→空いた360万円分を2026年に再投資という流れであれば、非課税枠の上限1,800万円にはカウントされ続けるのではなく、売却によって常に再利用可能になります。

5年間での最大投資額は?ケーススタディで解説

質問にあるように「毎年360万円を投資し、その年のうちに全額売却する」行為を5年間繰り返した場合、年間投資枠は各年ごとに消化されていくため、5年で1,800万円分の“投資枠”を使ったことになりますが、非課税保有限度額の1,800万円を超えることにはなりません

つまり、売却した分だけ非課税保有限度額は空くため、枠が埋まることはありません。累積の買付総額は増えますが、上限に達することはないのです。

売却後の再投資は慎重にタイミングを見極めよう

なお、再投資する際には市況やタイミングにも注意が必要です。売却後すぐに市場が反転し、高値で再購入することになれば、非課税メリットが薄れてしまう可能性もあります。

また、制度上は年間投資枠の消費を計画的に行うことで、非課税保有限度額を効率的に活用することが重要です。

まとめ:新NISAは「年間投資枠」と「保有限度額」の両方を意識

新NISAの運用においては、毎年の投資枠(最大360万円)は年単位でリセットされること、非課税保有限度額(最大1,800万円)は“保有している資産の評価額”で判断されることを理解することが不可欠です。

売却を繰り返すことで再び投資枠が空き、新たに投資が可能となる点を踏まえ、自身の投資スタイルや市況と照らし合わせて賢く制度を活用しましょう。

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