就職先の企業に対して愛着を持つことは自然な感情です。とくに祖父母や家族から「お祝いにその企業の株を買ってあげようか」と言われると嬉しくなるものです。しかし、就職先の株を持つことに法的なリスクはないのか、そして株の知識をどこで得ればいいのか、不安を抱える方も少なくありません。今回は、内定先や就職先企業の株式を購入・保有する際の注意点と、投資初心者が信頼できる知識を得るための方法について解説します。
就職先企業の株を買うことは法的に問題ない?
基本的に、一般的な株主として就職先企業の株を保有すること自体に法的な問題はありません。ただし、いくつか注意点があります。
上場企業に就職した場合、将来的に「インサイダー情報(内部情報)」に触れる立場になる可能性があります。このような情報を知ったうえで株の売買を行うと、金融商品取引法違反(インサイダー取引)に該当するリスクがあります。
たとえば、「新製品の発売が間近にある」など、未公表の重要情報を知った状態で株を買ったり売ったりすると、法的責任を問われる可能性があるのです。
保有はできるが「売買のタイミング」に注意が必要
就職前に株を買い、そのまま長期保有することはリスクが低い行動です。しかし、入社後に企業内部の情報に触れ始めた後は、売買のタイミングに十分注意が必要です。
たとえば、決算内容に関わる資料を事前に知る立場にいた場合、それを知った直後に株を売却する行為はインサイダー取引と見なされる可能性があります。そのため、株の売買に関しては、情報を得たタイミングと市場での発表時期を確認して行動することが必要です。
投資初心者が株の知識を学ぶには?
株の知識はYouTubeやSNSなどで手軽に得られる時代ですが、情報の正確性には注意が必要です。最初のステップとしておすすめなのは、以下のような信頼性の高い教材や機関です。
- 日本証券業協会(JSDA):初心者向けの教育コンテンツあり
- 証券会社の公式サイト(SBI証券・楽天証券など):初心者講座や動画講義が充実
- 書籍:『いちばんカンタン!株の超入門』(浅野敏郎)など
初心者ほど「本物の基礎知識」を身につけることが大切です。SNSは便利ですが、極端な成功談や根拠のない情報には注意が必要です。
身内の「贈与」にあたるか?税務面の確認も大切
祖母があなたの就職祝いとして株を購入してくれる場合、その名義が「あなた」になっていれば、税法上「贈与」と見なされる場合があります。年間110万円を超える贈与は贈与税の対象になるため、注意が必要です。
対策としては、株の名義を祖母のままにしておく、または110万円以内の範囲で購入するなどが考えられます。心配な場合は税理士に相談するのが安心です。
まとめ:就職先の株を保有するのはOKだが慎重さも必要
就職先企業の株を持つことは、モチベーションにもつながる良いアイデアです。ただし、インサイダー取引のリスクや税務の観点から、しっかりと理解を深めた上で進めるべきです。
まずは基礎を学び、情報源を見極める目を養いながら、将来的には賢い株主として自分自身の資産を育てていけるようにしましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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