ユニットリンクを解約して積立NISAに乗り換えるべき?長期資産形成における合理的な判断とは

資産運用、投資信託、NISA

保険と投資の機能を併せ持つ「ユニットリンク」は一見魅力的ですが、近年の資産形成制度である「積立NISA」と比較すると、その効率性に疑問を持つ方も増えています。9年間積み立てたユニットリンクを払済にするか、それとも解約して積立NISAへ資金をシフトすべきか。本記事では、両者の仕組みとメリット・デメリットを比較しながら、長期的な資産形成における判断材料を整理します。

ユニットリンクの仕組みと利点・注意点

ユニットリンク保険は、保険料の一部を特別勘定に投資し、資産運用の成果によって将来の返戻金が変動する商品です。死亡保障と運用の二本柱が特徴ですが、保険料の中から手数料や保障コストが差し引かれるため、運用効率は高くありません。

今回のケースでは9年間で約260万円の払込に対し、積立金額は350万円、解約返戻金は約5万円と非常に低水準で、「解約控除」「元本割れのリスク」が浮き彫りになっています。

積立NISAの優位性とは?

積立NISAは運用益が非課税になる政府の制度で、長期分散投資に最適化されています。S&P500やオルカンのようなインデックスファンドを活用することで、手数料が安く、透明性も高い運用が可能です。

特に積立NISAでは年間40万円までの非課税枠があり、20年の運用で最大800万円の投資が非課税で運用できます。現在の市場環境でも安定的な成長が見込める投資先が揃っており、保険商品と比較しても成績は堅調です。

払済にする選択の意味と影響

ユニットリンクを払済にすることで保険料の支払いは止まり、運用部分だけを残す形になります。保障は減りますが、そのまま運用が続けられます。

しかし、払済後も運用手数料は継続して差し引かれるため、リターンが目減りしやすい構造にあります。しかも増えた場合には通常の金融所得課税(20.315%)がかかる点も考慮が必要です。

解約と積立NISAへの資金シフトは合理的か?

今後長期的に見た場合、積立NISAに資金を振り分けた方がコスト効率が高く、税制上も有利といえます。例えば月5万円を積立NISAでS&P500に20年間投資した場合、年利6%で約2,000万円に到達する可能性があります(非課税)。

一方で、ユニットリンクを続けても運用成績がそれに匹敵するとは限らず、税金も課せられます。

実際の移行シミュレーションと考え方

仮に解約しても返戻金が少額であるため、心理的な“もったいない”感はあっても、経済的損失は小さいとも言えます。むしろ、今後の掛金の使い方の方が資産形成におけるインパクトは大きいです。

一例として、ユニットリンクの月2.5万円を積立NISAに追加すれば、年間90万円の積立に。将来の差は10年後、20年後に明確に表れてきます。

まとめ:感情ではなく数字で判断しよう

これまでの積立額や期間に執着するのではなく、今後どの選択が資産形成に有利かを数字で判断することが大切です。ユニットリンクを払済にして置いておくか、思い切って解約し、全額または一部を積立NISAにシフトするかは、将来の成長を見据えた戦略的な判断が求められます。

金融機関にとって有利な提案ではなく、あくまで自分のライフプランに沿った「合理的で柔軟な選択」を意識しましょう。

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