FXや株式の短期トレードにおいて、朝のスプレッド拡大ポイントは気になるチャートの動きの一つです。特にローソク足のひげや窓開けのように、日々の値動きの“癖”が集中しやすい時間帯とされ、多くのトレーダーが注目しています。しかし、これを分析に活かすべきかどうか悩む方も多いはずです。本記事ではその活用方法と注意点を解説します。
■スプレッド拡大とは?なぜ朝方に起きやすいのか
スプレッドとは、売値と買値の差(=取引コスト)を指します。特にFX市場では、東京時間の開始直前に市場の流動性が一時的に落ちることでスプレッドが広がることがあり、これを「スプレッド拡大」と呼びます。
例えば、USD/JPYで通常0.2銭のスプレッドが、朝6時台に1.0銭以上に拡大することもあります。これは流動性が少ない中で、ディーラーやアルゴリズムが慎重に価格をつけているためです。
■スプレッド拡大でついた高値・安値は信用できる?
結論から言えば、「スプレッド拡大の時間帯で形成された価格ポイントは、必ずしも市場の真の合意価格を反映していない」と考えるのが妥当です。そのため、スプレッド拡大によって生じた“ひげ”に対してラインを引くことは、必ずしもテクニカル的に有効ではない場合があります。
とはいえ、過去の値動きを丁寧に検証すると、そうしたポイントがのちに「反転ポイント」や「ブレイク水準」として機能することもあるため、完全に無視するのも早計です。
■ラインを引くべきか判断する3つのポイント
- 1. その価格に出来高が集中していたか:板情報や約定履歴で確認
- 2. 過去にも反応している水準か:日足・週足の水平線と重なるか
- 3. ローソク足の実体でサポート・レジスタンスになっているか:ヒゲよりも実体に注目
これらの条件を満たす場合、たとえスプレッド拡大でできた価格帯でもラインとして活用できる可能性は高まります。
■実例:USD/JPYでのスプレッド拡大とチャートポイント
2024年3月5日、東京市場開始直後の6:15頃にスプレッドが拡大し、ローソク足が急激に下ひげをつけました。この価格帯(148.50円付近)はその日のNY時間に再びタッチされ、大きな反発が起きています。
このように、スプレッド拡大で生じた価格でも、後に“意味のある水準”として機能することがあるため、無視せず丁寧に分析する姿勢が大切です。
■スプレッド拡大ポイントの活用法:無視するのではなく“参考値”に
朝のスプレッド拡大ポイントは、チャート上ではノイズにもなり得ますが、実戦では「参考ライン」として監視することで有効な戦略に繋がることがあります。
例えば、東京時間に形成された“高値・安値”の中でも、直近のローソク実体に支えられた価格帯は、その後の欧州・NY時間でのエントリーポイントとして注目されやすくなります。
■まとめ:スプレッド拡大は無視せず“精査”して使おう
・スプレッド拡大ポイントは、必ずしも“信頼できるチャートポイント”ではない
・しかし、出来高や過去の反応をチェックすることで、有効なラインとして使える可能性がある
・完全に排除せず、“参考ライン”としてチャートに反映するのがベスト
テクニカル分析では「感覚」だけでなく「検証とルール化」が重要です。朝のスプレッド拡大ポイントも、パターンを記録し検証していくことで、精度の高い判断材料になっていくでしょう。

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