同じ銘柄なのに成績に差が出る?新NISAの積立投資枠と成長投資枠のパフォーマンスが異なる理由

資産運用、投資信託、NISA

新NISA制度では、「積立投資枠」と「成長投資枠」の2つの非課税口座が利用でき、それぞれの枠に同じ銘柄を投資したにもかかわらず、パフォーマンスに大きな差が生じることがあります。この記事では、その理由を分かりやすく解説し、どちらの枠をどのように活用すべきか考察していきます。

積立投資枠と成長投資枠の基本的な違い

積立投資枠は、毎月一定額を定期的に投資する「ドルコスト平均法」による投資が基本で、投資対象も金融庁指定の低コストインデックスファンドなどに限定されます。一方で、成長投資枠は一括投資も可能で、個別株やETFなど自由度の高い商品が選べます。

両者は非課税の仕組み自体は同じですが、「投資スタイル」が異なることがパフォーマンスの差につながります。

同じ銘柄でも買い方で成績が変わる理由

例えば同じファンドを、積立投資枠では毎月2万円ずつ買い、成長投資枠では年始に150万円を一括購入した場合、相場の動きによって成果は大きく異なります。相場が年初から上昇している場合、一括投資は安値で多く購入できた分だけ評価益が大きくなります。

一方、積立投資では高値でも安値でも同額ずつ買っているため、平均取得単価が高くなることもあり、結果として含み益が抑えられる場合があります。これが「同じ銘柄でも成績が異なる」主な原因です。

成長投資枠が有利に見える背景

相場が一方向に強く上昇している局面では、一括投資による成長投資枠の方がタイミング的に有利に働きやすく、結果として評価益が高くなります。これは一見すると「成長投資枠の方が儲かる」と思われがちですが、タイミングによっては逆転もあり得ます。

特に相場が下落基調にある場合、積立投資枠の方が安値で買い増しでき、後々リターンが安定してくることもあります。

どちらが正解?積立と一括投資の考え方

短期的な成績の違いに一喜一憂するのではなく、それぞれのメリットを活かした「バランスの取れた活用法」がポイントです。成長投資枠で一括投資して相場に早めに乗る方法もあれば、積立投資枠で価格変動リスクを抑える戦略もあります。

特に長期投資を前提とする新NISAでは、上下を気にせず定期的に積立を継続することで、リスク分散の効果を享受しやすくなります。

実際の投資事例から見る比較

例えば2024年初にS&P500連動型ファンドを150万円一括で成長投資枠に投資したケースと、月2万円ずつ積立投資枠で購入していたケースでは、年中上昇トレンドだった場合、当然ながら一括投資の方が有利です。

しかし、2022年のように下落→反発の年では、積立で安く買い進めた方がリターンが良かった可能性もあります。要は「タイミング次第」ということを理解することが重要です。

まとめ:積立も成長投資も使い方次第

積立投資枠と成長投資枠のパフォーマンスに差が出るのは、投資のタイミングと手法の違いによるものであり、枠そのものの優劣ではありません。今後の相場や自分のリスク許容度に応じて、積立と一括のバランスを見直すのが賢明です。

新NISAの制度を十分に理解し、焦らずじっくりと「継続」していくことが、資産形成成功への近道です。

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