IFRS(国際財務報告基準)は、主に上場企業がグローバルな資本市場での信頼性向上を目的として導入しています。しかし、最近では非上場企業でもIFRSを導入する事例が徐々に増えてきています。この記事では、非上場会社があえてIFRSを採用する理由や、そのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
非上場企業におけるIFRS導入の主な背景
非上場であっても、IFRS導入を検討する企業には明確な背景があります。たとえば、グローバル展開を行っている企業や、外資系の親会社を持つ子会社などが代表的です。これらの企業では、グループ全体で会計基準を統一する必要性からIFRSの導入が進められています。
また、M&Aを見据えた資本政策や、将来的な上場準備の一環としてIFRSの早期導入に踏み切るケースもあります。
IFRS導入による主なメリット
IFRSを採用することによるメリットは次のような点にあります。
- 財務報告の国際的な比較可能性の向上
- 海外投資家へのアピール強化
- グループ会計処理の効率化(親会社がIFRSの場合)
- 会計上の透明性・信頼性の向上
特に、IFRSは原則主義であるため、日本基準よりも柔軟な会計処理が可能な点を評価する企業もあります。
非上場企業にとってのデメリットや課題
一方で、導入には大きな負担が伴います。以下のような点が主な課題です。
- 導入・運用コストの高さ
- 会計・税務担当者への専門的知識の要求
- 日本基準との乖離による帳簿作成の二重化
中小企業や人員の限られた企業にとっては、実務面の負荷が重く、IFRS導入が事業運営の足かせになる可能性もあります。
導入を成功させた非上場企業の事例
ある製造業の非上場企業では、主要な取引先が全て海外企業であり、相手先との信用構築のためにIFRS導入を決断しました。導入後、取引先からの評価が向上し、長期契約の獲得に成功しています。
また、外資系企業の日本法人がIFRSで連結決算報告を行っており、日本法人単体でもIFRSを導入することで、本社との業務連携が円滑になったという報告もあります。
IFRS導入を検討すべき非上場企業の特徴
以下のような企業は、IFRS導入を前向きに検討する価値があります。
- 海外との取引やグローバル展開を重視している
- 外資系企業やIFRS採用企業のグループ会社
- M&AやIPOなどの中長期戦略を計画している
特に、投資家や金融機関など第三者に対して財務透明性を示す必要がある場合、IFRSの採用がプラスに働くことが多いです。
まとめ:非上場でも戦略的なIFRS導入には十分な意味がある
非上場企業にとって、IFRSの導入は必須ではありませんが、戦略的な目的を持って導入すれば大きなメリットを享受できる可能性があります。ただし、導入にあたってはコストや人的リソースの課題も避けられないため、自社の経営戦略と照らし合わせた慎重な判断が求められます。

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