過去チャートの検証を行う際、「MT4でダウンロードしたヒストリカルデータは信頼できるのか?」という疑問を抱く方は少なくありません。特に裁量トレードや自動売買のバックテストにおいては、データの正確性が成績に直結する重要なポイントです。本記事では、MT4のヒストリカルデータの精度や使い方、注意点を詳しく解説します。
MT4のヒストリカルデータとは?
MT4(MetaTrader 4)で使用されるヒストリカルデータとは、過去のローソク足(OHLC)の価格履歴のことです。通常はMetaQuotes社が提供するデータ、または使用しているブローカー(証券会社)から取得されます。
MT4では「ツール」→「ヒストリーセンター」から手動でデータをダウンロードすることが可能です。
MT4のヒストリカルは“あてにならない”のか?
結論から言えば、目的によっては信頼性が不十分な場合があります。その理由は以下の通りです。
- ダウンロードされるデータが間引きされた簡易データである
- 特に1分足以下のデータは精度が荒く、隙間や欠損がある
- ブローカーごとの配信レートが異なるため、他社と比較して価格差が出る
とくに短期ロジックやスキャル系の検証では、1〜5pipsの誤差が致命的になるため注意が必要です。
“そんな昔でなければ大丈夫”という考え方について
たしかに、直近数年(例:2020年以降)のデータは、ブローカーのサーバー経由で比較的正確な情報が取得できる場合が多く、スイングトレードや日足ベースの検証であれば問題ないケースもあります。
しかしそれでも、ティック単位やミリ秒単位で精度が問われる手法には不向きです。MT4標準のデータでは、実際の価格変動やスリッページを正確に再現することはできません。
高精度なデータを使う方法
より正確なバックテストを行いたい場合、以下のような外部データを使う方法があります。
- DukascopyやTickstoryなどのティックデータ配信サービスを利用する
- MT4にインポートして99.9%精度のバックテストを行う
- MT5やTradingViewなど、精度の高いプラットフォームを併用する
実例:あるEA開発者は、Tickstory経由でDukascopyの1分足ティックデータを使用。ヒストリー品質を向上させることで、MT4のテスト結果とリアル運用成績の差が大幅に縮まりました。
注意点:ヒストリカル精度だけでなく“検証の文脈”も重要
バックテストで重要なのはデータの精度だけでなく、そのデータが実運用とどれだけ環境が一致しているかです。
例:東京市場中心のロジックを、ニューヨーク時間の価格データで検証しても再現性は期待できません。検証時の「通貨ペア・時間帯・スプレッド・約定速度」なども考慮しましょう。
まとめ:MT4のヒストリカルは使い方次第で“十分使える”が注意も必要
MT4標準のヒストリカルデータは、日足〜4時間足程度のスイング検証には実用的ですが、1分足以下の精度重視型検証にはやや不向きです。
「そんな昔じゃないから大丈夫」という考えは一部正しいものの、検証内容やロジック次第で誤差が生まれる点を理解した上で活用しましょう。
本格的な検証には、信頼性の高い外部データの導入やプラットフォームの併用もおすすめです。

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