東証に上場している米国債ETF(例:1656、2554など)は、日本円で取引できる手軽さから人気ですが、長期保有における戦略には注意が必要です。この記事では、配当を加味して損失を出さないための考え方や、売却タイミングを見極めるための視点を解説します。
米国債ETFの基本構造と値動きの仕組み
東証ETFで米国債を保有する場合、為替と金利の2つの要素が価格変動に大きく影響します。特に米国債は金利と価格が逆相関にあるため、米国の利上げ局面では評価損が出やすくなります。
2022年から続くFRBの利上げにより、長期米国債ETFは価格が大きく下落しました。ただし、金利が落ち着けば、価格は回復基調に向かう可能性もあります。
長期保有のメリットとリスク
メリット:高金利環境では、ETFの分配金(配当)利回りが上昇し、インカムゲインが安定します。仮に価格が下がっても、時間をかけて回収可能なケースもあります。
リスク:為替変動により円高が進行すると、円換算の基準価額が下落するリスクがあります。為替ヘッジ付きETFを選んでいない場合は特に注意が必要です。
配当込みでの損益シミュレーションの重要性
ETFの価格だけでなく、これまでの分配金の累積も含めた「トータルリターン」で判断するのが鉄則です。たとえば。
- 購入価格:12,000円
- 現在価格:11,000円
- 配当合計:1,200円
- トータル損益:+200円(売却しなければ確定しない)
このように、配当を含めると実は損失ではないというケースも多くあります。
今後の金利動向と売却戦略
今後、米国のインフレ鈍化や景気減速によりFRBが利下げに転じれば、米国債の価格は回復傾向にあります。債券価格は金利に先んじて動くため、早期に売却すると逆に機会損失となる可能性もあります。
一方、必要資金が近々必要で、損失を避けたいのであれば、いったん部分売却や損切りを検討する戦略も有効です。
長期保有向きのETF選定ポイント
現在保有しているETFが以下のような条件を満たすか確認しましょう。
- 米国長期債(20年超)中心か中期債(5〜10年)中心か
- 分配金の利回りが3〜4%以上か
- 為替ヘッジの有無(無ヘッジの場合円高リスクあり)
特に「2554 iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF」や「1486 上場インデックスファンド米国債(1-3年)」などはリスク許容度に応じて使い分けできます。
まとめ:売却判断は配当と今後の金利動向を見極めて
東証ETFで保有する米国債ETFは、短期の価格変動に一喜一憂せず、分配金と将来的な金利低下局面を意識して長期保有することで、損失リスクを最小限に抑えられます。
「焦って売らないこと」「配当も含めてトータルで評価すること」が、資産を守る重要な視点です。

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