インデックスファンドでも“ゴミ”と呼ばれる理由とは?構成や運用方針の落とし穴に注意

資産運用、投資信託、NISA

インデックスファンドは低コストで市場全体に分散投資ができることから、初心者から上級者まで幅広く利用されています。しかし、その中には「ゴミファンド」と揶揄されるような、思ったほどリターンが得られない商品も存在します。この記事では、なぜ一見優秀に見えるインデックスファンドでもパフォーマンスが劣ることがあるのかを、具体例とともに解説します。

インデックスファンドの仕組みを正しく理解する

インデックスファンドは、特定の株価指数(例:S&P500、全世界株式インデックスなど)に連動するように設計された投資信託です。主に「時価総額加重型」が採用されており、上位銘柄の影響が大きくなります。

例えば、全世界株式インデックスといっても実際には米国株が60%以上を占めており、「全世界」と銘打っていても米国偏重なことがほとんどです。つまり、市場が米国株に依存している限り、世界に分散されているとは言えないのが現状です。

安い手数料でも“ゴミ”ファンドは存在する理由

一見、信託報酬が0.1%未満と格安で優れているように見えるファンドでも、以下のような落とし穴があります。

  • 指数との乖離(トラッキングエラー)が大きい
  • 実質コストが高い(目論見書の手数料より高くなる場合)
  • 運用実績が短く不透明
  • 流動性が低く、売買時に不利な価格になる

例えば同じ「全世界株式インデックス」に連動するとしても、Aファンドはベンチマークに忠実に運用されているが、Bファンドは売買頻度が高くコストがかさむなどの差があります。

構成銘柄が似ていてもパフォーマンスが異なる実例

楽天・全世界株式インデックス・ファンドとSBI・全世界株式インデックス・ファンドは、どちらも「FTSE Global All Cap Index」に連動していますが、過去3年のパフォーマンスでは年率リターンに最大0.3~0.5%程度の差が出ています。これはわずかに見えて、長期運用では複利で大きな差になります。

構成銘柄が似ているだけで中身まで同じとは限らない点に注意が必要です。配当の再投資の仕方、為替ヘッジの有無、信託報酬の差など、わずかな違いが累積すると大きな影響を及ぼします。

“ゴミ”ファンドを見分けるためのチェックポイント

インデックスファンド選定時には、以下の要素を必ず確認しましょう。

  • 運用実績とトラッキングエラー:ベンチマークとの差異が少ないか
  • 純資産総額の推移:資金流出入の動きも健全性の指標
  • 実質コストの開示:信託報酬だけでなく、監査費用・売買手数料などを含む実質コストを確認
  • 運用会社の信頼性:過去の実績と対応の良さも重要

加えて、他の類似ファンドとの比較や、モーニングスターなどの評価サイトを活用することで、より客観的に判断できます。

インデックス投資でも定期的な見直しが必要

「長期・積立・分散」がインデックス投資の基本とされますが、それでもファンドそのものが劣化してしまうケースもあります。経費率が上がったり、人気がなくなって資産規模が縮小すると、結果的に思ったようなリターンが出ない可能性があります。

したがって、「買ったら放置」ではなく、年に1回はファンドの健全性を確認することが肝要です。

まとめ:インデックスファンドでも“中身”を見極める目が必要

「インデックスファンドだから安心」と考えるのは危険です。構成銘柄や手数料が似ていても、実際の運用パフォーマンスには差が出ることがあり、コストやトラッキングエラー、資産規模などの情報を複合的に判断する必要があります。

長期投資で確実に資産形成をするためには、表面的な手数料や名称に惑わされず、本質的に良質なインデックスファンドを選ぶ目を養いましょう。

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