au自分銀行の外貨定期1ヶ月9%金利の真実とは?落とし穴や注意点を徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

最近注目されている「au自分銀行」の外貨定期預金。とくに米ドル建て1ヶ月定期で年率9%という驚きの金利が提示され、多くの個人投資家の関心を集めています。しかし、このような高金利の背景には必ず理由があり、安易に飛びつく前に慎重な検討が必要です。

年率9%という金利は本当に得なのか?

外貨定期預金の金利は、一般的に日本円の定期よりも高めに設定されています。とくに1ヶ月のような短期預金で9%という金利は極めて高く見えますが、これは年率換算である点に注意が必要です。実際に1ヶ月預けた場合の利息は、約0.75%(=9%÷12)となります。

例えば100万円をドルに換えて1ヶ月預けた場合、受け取る利息は約7,500円相当の米ドルです。これだけを見ると魅力的ですが、他の要素を理解せずに預けるのはリスクを伴います。

為替リスクが最大の落とし穴

円からドルに換える時点と、満期時にドルを円に戻す時点での為替レート差によって、損失が発生する可能性があります。仮に1ドル150円で預け入れ、満期時に145円まで下がっていた場合、利息で得られた分以上に為替差損が出ることもあります。

為替変動は短期でも激しく動く可能性があるため、1ヶ月という短い期間でも損益が大きく変わるリスクがあります。そのため、高金利だけに注目せず、為替の動きにも注意を払うことが重要です。

為替手数料の影響も無視できない

au自分銀行に限らず、外貨預金では「円⇄ドル」の為替手数料が往復で発生します。たとえば、1ドルあたり片道25銭(=0.25円)なら、往復で50銭の手数料です。これが実質的なコストとなり、利息収入を大きく削る要因になります。

たとえ9%の年利でも、為替手数料と為替変動によって元本割れの可能性があるため、実質的なリターンは事前に試算しておくべきです。

預金保護制度の対象外である点に注意

外貨預金は、円預金と異なり日本の預金保護制度(ペイオフ)の対象外です。つまり、au自分銀行が万が一破綻した場合、預けた米ドルは保護されない可能性があります。

また、定期預金の途中解約には制限があるため、急な資金ニーズがある場合には不便です。金利だけでなく、こうした制度面の違いも理解したうえでの運用が必要です。

どんな人に向いている商品か

為替リスクを理解し、短期的な資金で運用したい人には選択肢の一つとして検討可能です。特に「円安傾向が続く」と読んでいる人にとっては、利息と為替差益の両方が見込める可能性もあります。

一方で、為替に慣れていない初心者や、元本割れを避けたい人には慎重な検討が必要です。安定した資産運用を希望するなら、円建ての定期預金や国内債券型投信なども候補に入れるとよいでしょう。

まとめ

・au自分銀行の外貨定期1ヶ月9%金利は、年率表記であり実際の利息は月0.75%程度です。
・高金利の裏には為替リスクや手数料があり、元本割れの可能性もある点に注意しましょう。
・外貨預金は預金保護制度の対象外であり、解約制限もあります。
・為替リスクを理解し、短期運用目的であれば一定の魅力がありますが、初心者は慎重に。

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