積立NISAのつもりで特定口座で買ってしまった?評価額と売却額のズレの正体を徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

投資初心者にとって、積立NISAと特定口座の違いや評価額と売却額のズレは非常に混乱しやすいポイントです。特に、「プラスになっているはずなのに売却しようとしたら金額が減っている」という経験は、よくある疑問のひとつ。本記事では、評価額と実際の売却額がズレる理由や、特定口座とNISA口座の違いを具体例を交えて解説します。

積立NISAと特定口座の違いとは?

まずは「積立NISA」と「特定口座」の違いを整理しましょう。積立NISAは年間投資枠の範囲内で購入した金融商品から得た利益が非課税となる制度です。一方、特定口座は利益に対して約20.315%の税金が自動で課税される仕組みになっています。

つまり、同じ商品を購入しても口座によって最終的な手取り額が変わるため、投資目的や期間に応じた選択が重要となります。

評価額と売却可能額が違うのはなぜ?

「+520円の含み益が出ているのに、売却すると29,000円しか戻ってこない」というケースは、いくつかの原因が考えられます。主な理由は以下の通りです。

  • スプレッド(売買価格の差):投資信託などでは、基準価額(買値)と解約価額(売値)に差がある場合があります。
  • 売却手数料:販売会社によっては解約時に信託財産留保額などの手数料が引かれることがあります。
  • 税金:特定口座で利益が出た場合、売却時に自動的に税金が差し引かれます。

これらの要素により、「評価益が出ている=そのままの金額が戻る」とは限らないのです。

特定口座での購入による課税の影響

特定口座で3万円分の商品を購入し、評価損益が+520円と表示されていても、それはあくまで税引き前の数字です。売却時には利益部分に対して約20.315%の税金が課されるため、実際には利益の約100円ほどが差し引かれます。

また、証券会社のシステムによっては「源泉徴収後の見込額」が表示されるため、利益が出ているように見えても、最終的な受取金額が評価額より下がるように感じられる場合があります。

口座を間違えて購入した場合の対処法

「本当はNISA口座で購入するつもりだったのに、誤って特定口座で買ってしまった」というケースでは、買い直しが必要です。一度売却してからNISA口座で改めて買い直すことになりますが、その際に売却益が出ていれば課税されてしまいます。

損をしないためには、まだ含み益が出ていないタイミングで売却するか、今後の投資分からNISA枠を正しく活用するのが良いでしょう。特定口座で保有し続けることも選択肢ですが、非課税メリットは享受できません。

事例:評価益があるのに手取りが少ないケース

たとえば、3万円分の投資信託を特定口座で購入し、評価額が30,520円になっていたとします。ここから利益520円のうち、約20%=約105円が課税され、さらにスプレッドや留保額などで1〜2%(約300〜400円)差し引かれると、結果的に受取額は29,000円前後になることがあります。

このように、評価益と実際の戻り金額には「見えないコスト」が含まれていることが多いのです。

まとめ:評価額と売却額のズレには理由がある

投資において「評価益が出ている=そのままの金額が受け取れる」とは限りません。税金や手数料、スプレッドなどの要因によって、受け取る金額は評価額よりも少なくなることがあります。

特定口座と積立NISAの違いを理解し、購入前にしっかり確認することで、将来的な非課税メリットを逃さずに済みます。もし間違って購入してしまった場合でも、冷静に状況を整理し、最適な対応を取りましょう。

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