テクニカル分析において、ストキャスティクスは短期売買のシグナルをつかむために多くの投資家に使われています。中でも%KとSlow%D(S%D)の表示は、相場の過熱感を捉える上で重要な指標ですが、証券会社のアプリごとに設定できる内容が異なるため、混乱する方も少なくありません。
ストキャスティクスの基本と%K、%D、Slow%Dの違い
ストキャスティクスは、一定期間内の価格とその範囲との関係を示すオシレーター系指標です。主に3つのラインが使われます。
- %K:現在の価格が一定期間の高値・安値の範囲内でどの位置にあるかを示す
- %D:%Kの移動平均。通常3日移動平均
- Slow%D(S%D):%Dをさらに平滑化したもの。%Kの3日移動平均を%Kとし、それをさらに3日で平滑化したライン
一般的には%KとSlow%D(S%D)で構成されるSlowストキャスティクスが利用され、よりノイズが少なく、安定的なシグナルとして支持されています。
楽天証券「iSPEED」でのストキャスティクス表示
楽天証券のスマートフォンアプリ「iSPEED」では、ストキャスティクスのチャート表示は「%Kと%D」のみ対応しています。現時点(2025年7月時点)では「Slow%D(S%D)」への切り替えや表示変更の機能は提供されていません。
ただし、%Dの算出方法が初期設定でSlow%Dに近い形になっている可能性もあるため、iSPEEDで表示される「%D」が実質的にSlow%Dであるか、設定内容を確認することをおすすめします。
Slow%Dの表示が可能なおすすめ証券アプリ
より柔軟なチャート設定が可能な証券アプリも存在します。Slow%D表示が可能な代表的なアプリには以下のものがあります。
- SBI証券「HYPER株アプリ」:設定項目でSlowストキャスティクスの選択が可能
- 松井証券「株アプリ」:%KとSlow%Dのカスタム表示が可能で、複数指標と併用もスムーズ
- TradingView:証券会社ではないが、スマホ対応・設定自由度が高く、投資家から支持されているプラットフォーム
とくにTradingViewはパラメーターの自由設定が可能で、%K/%D/Slow%Dの表示や色分けも自在。複数チャートの同時表示やアラート設定もでき、無料プランでもある程度活用できます。
ストキャスティクスを活用する際の注意点
ストキャスティクスは過熱感や売られすぎを判断する指標ですが、ダマシが多く、単独での使用はリスクが伴います。以下の点に注意しましょう。
- 他の指標(RSIやMACD)と組み合わせて判断する
- レンジ相場で有効、トレンド相場では機能しにくい
- 逆行現象(ダイバージェンス)も併せて注視する
また、%KとSlow%Dがゴールデンクロスやデッドクロスするポイントだけでなく、両者の位置関係や傾きも見ることで精度の高い分析が可能になります。
まとめ:表示できるアプリの見極めとテクニカル知識の深化が重要
ストキャスティクスの%KとSlow%Dを明確に表示したい場合、楽天証券のiSPEEDでは機能に限界があるため、他のアプリやツールを活用するのが有効です。証券会社のアプリ選びと合わせて、ストキャスティクスの本質的な使い方も理解を深め、ダマシに惑わされず安定した分析ができるようにしていきましょう。

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