なぜ経済成長が必要なのか?「失われた30年」を生きる日本で見えにくい本当の影響

経済、景気

「失われた30年」と言われる日本の経済停滞期。それでも街には人が溢れ、旅行や外食を楽しむ人々の姿も多く見られます。「経済成長しなくても生活できているのでは?」という感覚は間違っていない一方で、経済成長の停滞がもたらす“見えにくい代償”も確実に存在しています。

そもそも経済成長とは何か?

経済成長とは、国内総生産(GDP)の増加を意味します。これは一国の「儲け」が年々どの程度増えているかを示す指標であり、企業の売上や個人の所得、税収にも直結します。

成長が続けば、企業は新たな設備投資や雇用創出を行い、個人は給与が増え、公共サービスも向上します。逆に成長が停滞すれば、これらが停滞もしくは縮小します。

「それなりに生活できている」のカラクリ

日本では物価が長らく抑えられてきたため、ある程度の生活水準は維持されてきました。また、貯蓄率の高さや年金制度などのセーフティネットも一因です。

例えば、高齢化社会により医療費や年金支給が拡大している中でも、急激な破綻が起きていないのは、過去の蓄えがあったからです。しかしこれはあくまで“過去の遺産”であって、未来の保証ではありません。

経済成長しないことで起きる5つの問題

  • ① 実質賃金の低迷:物価は上がっても給料が増えず、実質的な購買力が低下
  • ② 若者の貧困化:非正規雇用の増加により、結婚・出産・教育など人生の選択肢が狭まる
  • ③ 社会保障の持続性の危機:少子高齢化に伴い、現役世代の負担増が続く
  • ④ 投資・イノベーションの停滞:新産業が育ちにくく、世界の競争に置いていかれる
  • ⑤ 地域経済の衰退:地方における人口流出やインフラ老朽化が進む

他国との比較で見る“取り残され感”

例えば、1990年から2020年にかけて、アメリカの一人当たりGDPは約3倍に増加。一方、日本はほぼ横ばいです。この30年間で日本は経済的な立ち位置を大きく落としました。

実感はないかもしれませんが、世界から見ると「日本人は相対的に貧しくなっている」という事実があります。

未来の世代への影響

経済成長が止まった国では、若年層への投資(教育、雇用、住宅政策など)が滞りがちになり、子どもたちの成長機会を奪ってしまう可能性があります。

今はまだ生活できていても、将来の「働けない時代」や「医療・介護に頼る時代」に入った時に十分な社会保障があるとは限りません。

まとめ:経済成長の“実感できない”重要性

経済成長がなくても生活は続きます。しかし、その生活は「将来の豊かさ」を先食いしている側面があります。成長とは、未来の選択肢を増やすこと。私たちがその恩恵を享受できているのは、過去の努力や成長があったからです。

これからの日本に必要なのは、「今なんとかなっているから大丈夫」という認識から、「次世代のために何を残せるか」へ意識を変えることかもしれません。

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