FX初心者から中上級者まで、クロス円の動きに注目するトレーダーは多いものです。特にドル円が強く上昇トレンドにあるとき、ユーロ円やポンド円など他のクロス円も似た動きを見せることが多く見られます。では、1時間足や4時間足レベルでの動きも連動する傾向があるのでしょうか。本記事ではクロス円の相関性とトレンド発生時の特徴をわかりやすく解説します。
クロス円とは?基本の仕組みを再確認
クロス円とは、日本円を含む通貨ペアのうち、米ドル以外の通貨との組み合わせのことを指します。たとえばユーロ円(EUR/JPY)、ポンド円(GBP/JPY)、豪ドル円(AUD/JPY)などが代表的です。
これらのクロス円は、実際には「ユーロドル×ドル円」など、ドルを介してレートが形成されています。そのため、ドル円の動きはクロス円にも大きな影響を与えるのです。
1時間足・4時間足レベルでも連動しやすいのか?
一般的に、短期足(1時間・4時間)でもクロス円はドル円の動きにある程度連動する傾向があります。特にドル円が明確なトレンドを形成しているとき、クロス円もその流れに引っ張られて動きやすくなります。
たとえば、ドル円が上昇トレンドを描いているとき、ポンド円や豪ドル円も同じように上昇する場面が多く見られます。ただし、ベース通貨(ユーロ・ポンド・豪ドルなど)側の材料によっては異なる動きをすることもあります。
チャートが似る理由:相関性の仕組み
クロス円同士のチャートが似て見えるのは、価格形成にドル円が関与しているためです。たとえば、ユーロ円は「ユーロドル×ドル円」で計算されており、ドル円の値動きが一定方向に動いていると、結果的にユーロ円も同様の形になりやすいのです。
加えて、多くの市場参加者がドル円を基準にトレード戦略を立てているため、市場のセンチメントも各クロス円に共通しやすくなっています。
実例で見る:ドル円上昇時のクロス円の動き
2023年後半にドル円が145円から150円へ上昇した局面では、同時期にポンド円も180円台から188円台へ、豪ドル円も93円から96円へ上昇しました。これは、円売り圧力が強まったことにより、各クロス円に共通の買い圧力がかかった典型例です。
ただし、ユーロ円はユーロ圏のインフレ指標の悪化により上昇幅が限定されるなど、個別要因が相関を弱める場合もあります。
テクニカル分析における注意点
- すべてのクロス円が同じ動きをするとは限らない。
- ファンダメンタル要因(中銀政策・経済指標)で差異が生まれる。
- 同じチャートに見えても、ボラティリティやサポート・レジスタンスの位置が異なる。
したがって、「チャートが似ている=同じ戦略で良い」とは限らないことを認識する必要があります。
まとめ:クロス円の相関性と戦略の立て方
クロス円はドル円と高い相関性を持つため、1時間足や4時間足といった短期足でも似たような動きをしやすい傾向にあります。しかし、通貨ごとの経済要因や市場のニュースによっては動きがズレることもあり、一律に同じチャートとして扱うのはリスクがあります。
実際のトレードでは、ドル円を軸にしながらも、個別通貨の動向を確認し、相関性が高いときは「セットアップとして利用」、乖離しているときは「リスク回避または逆張り戦略」など、柔軟に対応することが重要です。

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