レバレッジ型の投資信託は短期間で大きな値動きが期待できる一方、長期保有には向かないとされる理由があります。本記事では、楽天日本株トリプルブルやiFreeレバNASDAQ100といった人気のレバレッジ型ファンドを例に、長期投資との相性や「減価リスク」などについて具体的に解説します。
レバレッジ型投資信託とは?
レバレッジ型の投資信託は、指数の値動きの複数倍(たとえば2倍、3倍)に連動するよう設計された金融商品です。楽天日本株トリプルブルは日経平均の約3倍、iFreeレバNASDAQ100はNASDAQ100の約2倍の値動きを目指します。
これにより短期的に相場が強く動いたときに大きな利益が狙える一方、反対方向への動きにはより大きな損失となるリスクがあります。
長期保有における「減価リスク」とは?
レバレッジ型商品の長期保有で問題になるのが「減価(げんか)」です。これは基準価額が元の指数よりもパフォーマンスが劣化してしまう現象です。
たとえば、指数が10%下落し、その後10%回復した場合、ノンレバレッジでは元に戻りますが、レバレッジ型は複利効果や価格変動の振れ幅の影響で元に戻らず目減りしてしまうことがあります。これが「ボラティリティ・ドラッグ(変動損失)」と呼ばれる要因です。
実際のパフォーマンス比較:iFreeレバNASDAQ100の事例
iFreeレバNASDAQ100は過去数年間で大きく成長しましたが、2022年〜2023年のように調整局面が続くと、回復が指数本体より遅れることがあります。
たとえば2021年末から2022年末にかけてNASDAQ100が約30%下落した際、iFreeレバNASDAQ100は約50%近い下落となりました。その後NASDAQが戻しても、レバ型ファンドの基準価額は完全には回復していないのが実情です。
楽天日本株トリプルブルのリスクと特徴
楽天日本株トリプルブルは日経平均の約3倍の動きをするため、日経平均が1日で2%動けば、6%の値動きになる可能性もあります。これは短期トレーダーにとっては魅力ですが、長期で見た場合、ボラティリティが高すぎて基準価額が減価しやすいというリスクがあります。
特に日本市場は欧米に比べて上下動が小さいため、期待したパフォーマンスが得られにくいという側面もあります。
長期投資ならインデックス型や積立型ファンドが有利
レバレッジ型ファンドは短期勝負向きで、長期投資には基本的に不向きとされています。長期投資には、eMAXIS Slimシリーズのような低コストインデックスファンドや、NASDAQ100連動型のノンレバ商品などがより安定的な成果を期待できます。
また、ドルコスト平均法での積立投資と組み合わせれば、相場の波に乗りやすく、長期的な資産形成につながります。
まとめ:レバレッジ型ファンドの扱いは「目的」によって使い分けるべき
楽天日本株トリプルブルやiFreeレバNASDAQ100といったレバレッジ型投資信託は、短期的なトレードやタイミング投資には適している一方で、長期保有では「減価」のリスクがあるため注意が必要です。
目的が明確で、相場を短期的に見極めるスキルがある投資家にはチャンスも大きいですが、長期的な資産形成を目指す人には、レバレッジのないインデックス型の方が安心です。投資対象は自身の目的とリスク許容度に応じて選ぶようにしましょう。

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