経済学を学ぶうえで避けて通れないのが「需要の価格弾力性」という概念です。特に試験問題や政策分析において頻繁に登場するこの用語は、正確に理解しておくことが重要です。この記事では、需要の価格弾力性の基本から、実生活への応用、環境税との関連まで丁寧に解説していきます。
需要の価格弾力性とは何か?
需要の価格弾力性とは、ある財やサービスの価格が変化したときに、需要量がどれだけ変化するかを示す指標です。数式で表すと以下の通りです。
価格弾力性 =(需要量の変化率)÷(価格の変化率)
たとえば、価格が5%下がったときに需要が10%増えた場合、その弾力性は2となり「弾力性が大きい」と言えます。
選択肢の正誤を検討:問題1の解説
問題1に出てきた選択肢の中で正しいのは次の記述です。
「ある財について、価格が少し低下した時に需要量が大幅に増加するならば、その財の需要の価格弾力性は大きいと言える。」
理由は、価格が少し変化するだけで需要が大きく動く場合、価格に敏感である=弾力性が大きいとされるためです。他の選択肢は次のような誤解が含まれています。
- 需要曲線の傾きは弾力性と一致しない:視覚的な傾きではなく、比率で判断されます。
- 生活必需品は弾力性が小さい:価格が上がっても買わざるを得ないためです。
- 贅沢品は弾力性が大きいが、需要曲線の傾きが急とは限りません。
環境税と価格弾力性の関係:問題2の各設問を解説
次に、需要の価格弾力性が異なる2種類の財に環境税を課した場合の影響を見ていきましょう。
(1) 市場均衡価格が大きく上昇するのは?
→ 需要の価格弾力性が小さい財
弾力性が小さいと、価格が上昇しても需要が減りにくいため、価格に転嫁されやすくなります。
(2) 税収が大きくなるのは?
→ 需要の価格弾力性が小さい財
消費者が税を負担してでも購入するため、課税後の取引量が大きく減らず、税収が安定します。
(3) 取引量が大幅に減少するのは?
→ 需要の価格弾力性が大きい財
価格に敏感なため、課税で価格が上がるとすぐに購入を控える傾向があります。
(4) 消費者の負担が小さいのは?
→ 需要の価格弾力性が大きい財
価格上昇に対し購入を回避できるため、税負担の転嫁を避けることが可能です。
実生活での価格弾力性の例
たとえば、ガソリンや電気などの公共料金は、価格が高くなっても需要が極端には減りません。これは弾力性が小さい典型例です。一方、映画鑑賞やレストランなどは、価格が上がると利用を控える人が増えるため、弾力性が大きいとされます。
このように、どのような財であっても価格弾力性を理解しておくと、企業活動や政策立案に役立てることができます。
まとめ:需要の価格弾力性は経済判断のカギ
需要の価格弾力性は、価格と需要の関係性を数量的に捉える重要な概念です。消費者の動向や政策の影響を分析する際の指標として活用されます。今回の問題で扱ったように、日常的な財や税制度の影響を理解する手助けになりますので、基本からしっかり押さえておきましょう。

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