相続財産の中に投資信託が含まれていた場合、「それを日本円に換えて現金で分けられるのか?」という疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。金融商品である投資信託の取り扱いは、預貯金や不動産とは異なる部分もあるため、相続時には一定の手続きが必要になります。この記事では、投資信託の相続から現金化、遺産分割までの流れや注意点をわかりやすく解説します。
投資信託は相続の対象になる
投資信託は当然ながら相続財産の一部として扱われます。亡くなった方(被相続人)が保有していた投資信託は、その評価額を基に遺産全体の中に組み込まれます。
評価額は死亡日または準ずる日付の基準価額で計算され、証券会社や金融機関から発行される「残高証明書」や「取引明細書」で確認できます。
現金化は可能?その流れと手続き
投資信託は原則として換金可能です。相続人全員の合意を得て遺産分割協議を行い、その後、証券会社にて換金手続きを進めることができます。
一般的な流れは以下のとおりです。
- 証券会社へ相続発生の連絡
- 必要書類(戸籍、遺言書、遺産分割協議書など)の提出
- 投資信託の解約・売却手続き
- 売却後の日本円を相続人間で分配
売却時の価格は市場の基準価額により変動するため、分配額に差が出る可能性もあります。
そのまま分割はできる?名義変更という選択肢
現金化せずに、投資信託を相続人がそのまま引き継ぐ「名義変更」も選択肢のひとつです。たとえば、3人の相続人がいた場合、それぞれが投資信託を3分の1ずつ相続し、それぞれの証券口座に移管することも可能です。
ただし、証券会社によっては細かい分割に対応していない場合もあるため、柔軟な分割ができないこともあります。この場合はやはり換金して分ける方法が現実的です。
税金の取り扱いと注意点
投資信託を相続した場合、その評価額に応じて相続税が課される可能性があります。相続税の申告・納付は相続開始から10ヶ月以内が期限となっており、換金手続きや分割協議と並行して進める必要があります。
また、換金した際に利益が出ていても、相続による取得であるため、その段階では譲渡所得税は発生しません。ただし、相続後に相続人自身が売却した場合には、その時点の取得価格を基に譲渡所得として課税される場合があります。
実例:家族3人で投資信託を相続したケース
父親が亡くなり、相続財産に300万円相当の投資信託が含まれていたケースでは、3人の子が相続人となり、話し合いのうえで証券会社に依頼して解約。売却後に得た298万円を3人で均等に現金で分配しました。
この際、名義変更の手間や投資信託の一部移管が複雑だったため、現金化して分ける方法がスムーズだったという結果でした。
まとめ:投資信託も現金化して分けることは可能
投資信託は他の相続財産と同様に分割対象となり、現金化して相続人間で分けることが可能です。相続人間での合意が前提ですが、証券会社を通じて売却し、日本円での分配が実務上もっともスムーズな方法といえるでしょう。
遺産分割や税務手続きと並行して動く必要があるため、早めに専門家(税理士や司法書士など)に相談しながら進めるのがおすすめです。

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