MBTIとソシオニクスは、どちらも人間の性格や認知の傾向を分析するタイプ論的ツールですが、同じタイプ記号(INFPやENFPなど)を用いていても、その意味は必ずしも一致しません。この記事では、MBTIでINFP、ソシオニクスでENFPという診断結果が出る理由と、その背景にある理論の違いについて解説します。
■ MBTIとソシオニクスは似て非なる性格診断理論
まず前提として、MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)とソシオニクス(Socionics)は、ユング心理学をベースにしている点では共通していますが、それぞれ独自の理論展開をしているため、同じ「INFP」や「ENFP」といった表記でも中身が異なります。
MBTIでは「内向(I)」か「外向(E)」かが、エネルギーの向かう方向を示します。一方ソシオニクスでは、同じ「内向」「外向」という言葉を使っていても、それが示す意味や重視する機能の順序が異なります。
■ MBTIのINFPとは?その特徴を簡潔に整理
MBTIのINFP(内向・直観・感情・知覚)は、内向的で理想主義的、自分の価値観に忠実で創造力に富んだ人です。自己表現や創作活動、人の心に寄り添う力に優れ、静かな共感者であることが多いです。
代表的な適職としては、カウンセラー、作家、クリエイターなどが挙げられます。
■ ソシオニクスのENFP(IEE)とは何か?
ソシオニクスにおけるENFP(IEE=Ethical Intuitive Extrovert)は、直感と感情に強く、他者の感情を読む力や関係性の機微に敏感な人物像を指します。つまり、外界の人間関係に強い関心を持ちつつ、深い人間理解を求めるタイプです。
ENFPという記号はMBTIと同じですが、ソシオニクスでは主機能が「外向直観(Ne)」、補助機能が「内向倫理(Fi)」という構成になるため、MBTIのINFPと似た構造になります。
■ タイプの食い違いは機能スタックの違いによる
MBTIとソシオニクスの最大の違いは「機能スタック」(どの認知機能を優先して使うか)にあります。MBTIのINFPは主機能が「内向感情(Fi)」、ソシオニクスのENFP(IEE)は「外向直観(Ne)」です。
しかし、両者ともに「Ne」と「Fi」を使う点で共通しており、組み合わせの順序が異なるだけと捉えることもできます。つまり、本質的な性格傾向は近いということです。
■ 実例:診断結果のズレに悩んだ人の声
実際に「MBTIではINFP、ソシオニクスではENFP」と診断された人の中には、「人と話すのは好きだけど、一人で考える時間も大切」という矛盾するような側面を持っている方もいます。
このような人は、MBTIでは「内向寄り」と分類され、ソシオニクスでは「外向寄り」と判定されるケースが出てくるのです。
■ 診断をどう捉えるべきか?自分らしさの手がかりとして活用を
結論として、MBTIでINFP、ソシオニクスでENFPとなるのは「理論上の違い」によるもので、どちらかが正しい/間違いというものではありません。両者の視点を補完的に使い、自分の認知や行動パターンを多角的に理解するヒントにしましょう。
例えばMBTIを「内的価値観の方向性を見るもの」、ソシオニクスを「対人関係や外向的な関心を見るもの」と位置づけると、それぞれの結果が示す人物像が立体的に見えてきます。
■ まとめ:異なるタイプ診断を対立ではなく補完的に活かそう
MBTIとソシオニクスで異なるタイプが出るのは珍しくありません。それぞれの診断結果を対立的に捉えるのではなく、自分の多面的な性格を映し出す補助ツールとして活用しましょう。
性格は固定されたラベルではなく、状況や相手、人生のステージによっても変化します。診断結果に縛られず、自己理解を深めるためのきっかけとして向き合ってみてください。

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