同一株取引で損益が変動する理由とは?再購入による評価額の仕組みをわかりやすく解説

株式

株式投資では、同一銘柄を売却した後すぐに再購入すると、保有中の株式評価額や実現損益の表示が大きく変わることがあります。一見すると「なぜ利益が消えたのか?」と驚く場面も。この記事では、同一株の再購入が実現損益にどう影響するのか、その仕組みを解説します。

■ 同一株の売却と再購入がもたらす混乱

株を売却して得た利益が、再び同じ銘柄を購入した後に帳消しのように見える現象があります。これは、証券口座内での評価方法に関係しています。

特にネット証券などでは、実現損益や保有株の評価損益が動的に表示されるため、同じ銘柄の売買を短時間で繰り返すと「評価の切り替え」によって混乱を招くことがあります。

■ 実例で見る損益の変化

例として以下のような取引を考えてみましょう。

  • 取得価格:412円×1000株 → 総額412,000円
  • 売却価格:452円×1000株 → 総額452,000円(+40,000円の利益)
  • その後、512円で100株を購入 → 総額51,200円

この時点で保有株は100株(512円)だけですが、証券会社の「評価損益」はこの512円の株を基準に現在の価格と比較して表示します。

しかし、口座の画面によっては、実現損益と未実現損益が統合されて表示されることがあり、購入直後に価格が下がると「マイナス6万円」といった数字が出て驚くことがあります。

■ 実現損益と評価損益の違いを理解する

実現損益は売却した時点で確定した利益・損失であり、後の取引で変動することはありません。一方、評価損益は現在保有している株の時価と取得価格の差額で日々変動します。

したがって、売却して得た+4万円は既に確定しており、評価損益に影響しないはずですが、証券会社によってはこれを「損益合計」欄で再計算しているように見せる表示仕様もあります。

■ 口座の表示方法と損益誤認に注意

特にSBI証券、楽天証券、マネックス証券などでは、リアルタイム表示の形式や「損益累積表示」があるため、短期売買を行った場合に数字が錯覚を引き起こすことがあります。

「全体損益」や「評価額の増減」などの表現は、必ずしも実現利益を反映しているとは限らないため、口座履歴や取引明細を個別に確認することが重要です。

■ 評価損益と確定損益を見分ける方法

  • 取引明細を見る → 実際に確定した損益はここに記録されます
  • 評価損益の表示は保有株だけを対象にしていると理解する
  • 証券会社のヘルプやサポートで表示形式を確認する

また、税金面でも、確定申告や特定口座の計算は「実現損益」に基づいて行われます。

■ まとめ

同一銘柄の売却後に再購入を行うと、証券口座の表示方法によって損益が変化したように見えることがありますが、これは表示上の誤解に過ぎないケースがほとんどです。

大切なのは「実現損益(確定利益)」と「評価損益(保有中の評価)」を混同せず、取引明細を正確に確認すること。表示の仕様に惑わされず、冷静な投資判断を行うようにしましょう。

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