経済学における需要関数・供給関数の分析では、国際価格や関税の影響を理解することが重要です。本記事では、ある財に対して輸入関税を課したときに輸入量がどれほど減少するのかを、具体的な数式をもとに計算し、視覚的なイメージも踏まえて解説します。
■ 問題設定と関数の確認
以下のような条件が与えられています。
- 需要関数:xd = -p + 50
- 供給関数:xs = p – 10
- 国際価格:15
- 関税:1単位あたり5
まずは関税がない場合と、関税が導入された場合で市場の状況がどのように変化するかを確認していきましょう。
■ 関税がない場合の輸入量
国際価格が15のとき、需要と供給は次のようになります。
- 需要量:xd = -15 + 50 = 35
- 供給量:xs = 15 – 10 = 5
したがって、このときの輸入量は。
輸入量 = 需要 – 国内供給 = 35 – 5 = 30
■ 関税導入後の影響
関税5をかけると、国内での価格は実質的に20になります(15+5)。
- 需要量:xd = -20 + 50 = 30
- 供給量:xs = 20 – 10 = 10
輸入量は。
輸入量 = 30 – 10 = 20
■ 輸入量の減少量とその意味
関税導入によって輸入量は30 → 20へと減少しました。つまり。
輸入量の減少 = 10単位
これは、関税によって国内供給が増加し、需要が減少することで生じたものです。輸入依存が軽減される一方、消費者の負担や選択肢の減少にも繋がることがわかります。
■ グラフで視覚的に確認(イメージ説明)
この状況をグラフで考えると以下のようになります。
- 横軸:数量(x)
- 縦軸:価格(p)
- 需要曲線:右下がり(p = -x + 50)
- 供給曲線:右上がり(p = x + 10)
- 国際価格15での横線 → 輸入30
- 関税で価格20に上昇 → 輸入20
このように、グラフを描くと価格変動に対する数量の変化が視覚的に理解しやすくなります。
■ 実生活や政策との関連性
関税政策は国内産業の保護が目的ですが、消費者には高価格として跳ね返ります。今回のケースでも、10単位の輸入減少により、海外の安価な財の流入が抑えられる一方、消費者の購入可能数は減少しました。
このように、需要と供給の基本式を使って政策の効果を定量的に評価できるのは、経済学の大きな強みのひとつです。
■ まとめ
今回の例では、輸入関税5により、輸入量は10単位減少しました。関税導入前の輸入量30に対して、関税後は20。この変化は、需要・供給関数をもとに簡単に求められます。
このような分析を通じて、経済政策の影響を理論的に把握し、より深い理解へとつなげましょう。

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