金融資産が5000万円や1億円を超えると「準富裕層」「富裕層」と呼ばれることがありますが、実際にその生活は本当に裕福と言えるのでしょうか?本記事では、野村総合研究所の定義をベースにしながら、資産額と生活の実感のギャップについてわかりやすく解説します。
野村総合研究所の資産階層の定義とは
野村総合研究所(NRI)は個人の金融資産によって以下のように層分けをしています。
- マス層:金融資産3,000万円未満
- アッパーマス層:3,000万円以上5,000万円未満
- 準富裕層:5,000万円以上1億円未満
- 富裕層:1億円以上5億円未満
- 超富裕層:5億円以上
この分類は純資産(負債を除いた保有資産)ではなく、金融資産に限定されている点に注意が必要です。
資産額=生活の豊かさではない理由
一見すると「1億円もあれば十分裕福」と思われがちですが、実際にはライフスタイルや支出構造によって大きな差が出ます。例えば節約して5000万円を貯めた人と、派手な消費をしているが貯蓄が少ない人とでは「生活の満足度」は大きく異なるかもしれません。
また、リタイア後の生活資金として考えれば、5000万円では必ずしも十分とは言えません。老後30年を想定すれば年間支出が約170万円で尽きる計算となり、ゆとりある暮らしには物足りないとも考えられます。
富裕層でも節約するのはなぜ?
資産を築く過程で「節約・倹約」を習慣にしてきた人は、資産が増えてもそのライフスタイルを維持しがちです。それは金融リテラシーの高さや将来への備え、資産の運用効率などを重視しているためです。
また、「資産を守る」ことが重要なステージにある富裕層にとっては、安易な浪費がリスクともなり得ます。
見かけの豪華さでは測れない「真の富裕層」
高級車に乗り、贅沢な旅行をしている人でも、実は資産が乏しく、借入やローンに頼っている場合もあります。このようなケースでは金融資産的には「マス層」に分類される可能性があります。
一方で、地味に見えても資産を堅実に積み上げ、計画的に将来を見据えた生活をしている人こそ、真の意味で「富裕」な存在と言えるかもしれません。
金融資産の額と生活満足度は必ずしも一致しない
同じ5000万円でも、それを持つ人の年齢、家族構成、職業、住んでいる地域によって「その資産の重み」は変わります。例えば地方在住で持ち家・無借金の人と、都内で賃貸・子育て中の人では、同じ金額でも生活余裕度に大きな差が出ます。
つまり資産の額だけで「富裕かどうか」を単純に判断することは難しく、「その人のライフステージや価値観」を理解することも重要です。
まとめ|資産の定義と実感を見極めよう
野村総研の定義は「金融資産額」による明確な分類ですが、それだけで「裕福さ」や「幸せ」を語ることはできません。節約しながら堅実に資産を築く人と、収入があっても資産を残せない人では、目に見える生活レベルは逆転して見えることもあります。
結論としては、「金融資産5000万円=準富裕層」という定義は目安としては有効ですが、自分自身や他人の豊かさを測る指標としては、もう少し多面的な視点が求められます。

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