私たちが暮らす地球には、莫大な価値が存在しています。それは土地や建物などの不動産、企業の株式、天然資源、さらには発行されている通貨まで多岐にわたります。本記事では、地球上に存在する「価値」と「貨幣の量」について、最新の推計をもとにわかりやすく解説します。
地球上に存在する総資産額はどれほどか?
世界全体で存在するとされる総資産は、国際機関や経済調査機関による推計によると、2023年時点でおよそ500兆〜600兆ドルと見積もられています。この中には、不動産、株式、債券、預貯金、企業資産などが含まれています。
たとえば、不動産だけで世界全体の資産の約60%を占めており、中でも中国や米国、日本が大きな割合を占めます。つまり、土地や建物の価値だけで数百兆ドル規模があるということになります。
貨幣の量:発行されている通貨の総額とは
貨幣の量を測る方法にはいくつかありますが、代表的なのがM1(現金と当座預金)やM2(M1に普通預金や定期預金などを加えた指標)です。2023年現在、世界全体で流通している通貨(M2ベース)はおおよそ100兆ドル超と推定されています。
例えば、アメリカのM2は約21兆ドル、ユーロ圏は約16兆ドル、日本は約10兆ドル、中国はおよそ30兆ドル規模とされており、各国の経済規模に応じて通貨の発行量も異なっています。
実体経済 vs 金融経済:資産と通貨のギャップ
世界の総資産(500兆ドル超)と比較して、貨幣の総量(100兆ドル超)ははるかに少ないことがわかります。これは、資産の多くが「現金」ではなく「評価額」によって算出されているからです。たとえば、株式や不動産は時価評価されるため、現金ではなくても経済的価値がある資産として計上されます。
そのため、すべての資産が現金化されるわけではなく、貨幣量と資産価値は直接的に一致しません。これは金融市場におけるバブルや資産インフレにもつながる要因でもあります。
通貨供給の仕組み:中央銀行と信用創造
貨幣は中央銀行が発行するだけでなく、銀行による「信用創造」によっても増加します。たとえば、100万円を銀行に預け、それが融資として他人に貸し出され、また預け入れられるというサイクルで、元の現金よりも多くの「預金通貨」が流通します。
このように、通貨供給量は現金そのものよりもはるかに大きな規模で膨らむことがあります。これがM2やM3といった広義のマネーサプライの増加要因となります。
金(ゴールド)やビットコインなど「代替資産」の位置づけ
一部の人々は、通貨や国債の信認低下に備えて「実物資産」や「代替通貨」にも注目しています。代表例が金(ゴールド)やビットコインです。金の時価総額は世界全体で約13兆ドル程度(2024年推計)、ビットコインは約1兆ドル前後とされており、これらは資産の一部として評価されています。
ただし、これらは法定通貨と異なり、価値の変動が大きく投機的な側面も強いため、通貨の代替とはいえ慎重な評価が必要です。
まとめ:資産と通貨を正しく理解する視点
地球上には数百兆ドル規模の資産が存在していますが、そのすべてが「現金」ではありません。また、発行されている貨幣は信用創造によって大きく増減し、実際の資産評価額と通貨量には大きなギャップがあります。
この違いを理解することが、マクロ経済や金融市場を冷静に捉える第一歩になります。複雑に見えても、原理を知れば全体像が見えてきます。

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