なぜお金をたくさん刷っても不景気は解決しないのか?子どもにもわかるやさしい経済の話

経済、景気

「不景気ならお金をいっぱい刷って困っている人に配ればいいのに」――これは誰もが一度は思ったことのある疑問です。とても素直で、本質を突いた質問でもあります。ですが、実はそれをすると逆に大きな問題が起きてしまうのです。この記事では、小学生でもわかるように、その理由をやさしく解説していきます。

お金は魔法じゃない!たくさん刷ってもモノは増えない

たとえば、みんなに1万円ずつ配ったとします。でも、配られたお金のぶんだけ、おにぎりや自転車や洋服が急に増えるわけではありません。お金だけが増えて、物の数が変わらないと、モノの値段が上がってしまうのです。

たとえば、おにぎり1個100円だったのが、みんなが1万円持っていると200円、300円とどんどん上がるかもしれません。これが「インフレ(物価の上昇)」です。

インフレがひどくなるとどうなるの?

お金をたくさん刷って配ると、物価が上がって生活が大変になります。たとえば、今日100円で買えたパンが明日は200円、来月には500円になっていたらどうでしょうか?

お給料が変わらないのに物の値段だけ上がっていくと、人々は生活に困ってしまいます。これを「悪いインフレ」と呼びます。実際に、昔のドイツや最近のアルゼンチン、ジンバブエなどでは、お金を刷りすぎたせいで物価が何十倍、何百倍にもなってしまったことがあります。

お金の「信用」はとても大事

お金はただの紙や数字にすぎません。大事なのは、「このお金でパンが買える」「貯金しておけば安心」という信用です。もし、国がむやみにお金を刷り続けたら、人々は「この国の通貨は信じられない」と思うようになります。

すると外国の人たちも日本円を持ちたくなくなり、円の価値が下がってしまいます。円の価値が下がると、外国から買うもの(輸入品)が高くなり、また生活費が上がることにつながります。

どうしてもお金を増やしたい時はどうするの?

それでも、景気が悪いときに国がお金を出すこともあります。これを「金融緩和(きんゆうかんわ)」や「財政出動(ざいせいしゅつどう)」と言います。たとえば、コロナの時に日本政府は給付金を配ったりして、人々を助けようとしました。

ただし、それは一時的な対策であり、やりすぎるとインフレのリスクがあるため、バランスをとることが大事なのです。

じゃあ景気をよくするにはどうすればいいの?

一番いいのは、みんなが「働ける」「お給料が増える」「会社がもうかる」環境を作ることです。そのためには、新しい産業への投資、教育や技術の向上、安心して子育てできる社会づくりなど、地道な取り組みが必要です。

つまり、「お金を刷る」だけでは一時しのぎにしかならず、本当の解決は経済の仕組み全体をよくすることなのです。

まとめ:経済はバランスが命!

「不景気ならお金をたくさん刷ればいい」という考えは、とても自然な発想ですが、現実はもう少し複雑です。お金を増やすと、物の値段が上がったり、お金の信用が落ちたりするという副作用があるのです。

だからこそ、経済では「バランスをとること」が何より大切。少しずつでも知識を増やしていけば、きっと経済も面白く感じられるようになりますよ!

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