「株価が安いから」といった理由で株式を購入するのは、投資初心者によく見られる傾向ですが、それが賢明な判断かどうかは慎重な検討が必要です。特に、日産自動車のように業績や外部環境が大きく影響する企業の株については、単純な価格判断だけでは危険な側面もあります。本記事では、日産株を「安いから」と買うことのリスクと可能性について、投資家目線で掘り下げて解説します。
「株価が安い」=「割安」ではない
株価が低いからといって、それが自動的に「割安」であるとは限りません。株価は企業の将来価値や利益見通しを織り込んで形成されており、安い株にはそれなりの理由があることが大半です。
例えば、日産の過去数年の株価低迷の背景には、ゴーン元会長の逮捕劇、業績不振、電動化シフトの遅れなど複数の課題が積み重なっており、単に「安いから」で買うのは本質を見誤る可能性があります。
日産株の現在地と過去のパフォーマンス
2020年以降、日産の株価は一時的に回復局面を見せたものの、依然としてリーマン前の水準には遠く及ばない状況です。トヨタやホンダと比較しても、成長性や株主還元において見劣りする側面があります。
一方で、電動化への投資やアライアンス戦略の見直しなど、構造改革は進行中であり、一定の期待感があるのも事実です。実際、2023年度には黒字回復を果たし、今後の収益性改善に注目が集まっています。
投資判断に必要なポイント
株式投資では以下のような複数の視点から総合的に判断することが重要です。
- PERやPBRなどのバリュエーション
- 配当利回りや株主還元方針
- 業界内ポジションと成長戦略
- 世界経済や為替の影響
日産はPBRが0.5倍前後と市場平均を下回っており、財務的には一見「割安」に見えますが、成長性やリスクの面では不安要素も残っています。
戻る可能性はあるのか?
今後、日産株が「戻る」かどうかは、主に以下の要素にかかっています。
- EV戦略の実行と市場シェアの拡大
- アライアンス(ルノー・三菱)との協業の成果
- 為替や地政学的リスクの動向
例えば、日産は2030年までに新車販売の100%を電動車にするという方針を掲げており、このロードマップの実現性とスピード感が、株価回復の鍵になると見られています。
投資判断は「ストーリー」で考える
株価が「戻る」と信じて買うことは、期待値の世界に踏み込む行為です。その期待がどれほど現実に近づいているか、自分なりに仮説を持ち、ニュースや決算を通じて検証していく視点が重要です。
「安いから」ではなく、「なぜ安いか」「将来どうなるか」を理解して買うことが、投資成功への第一歩です。
まとめ:日産株は“安い”のか、それとも“リスクがある”のか
「安いから」という理由で株を買うのは、価格に目が行きがちな初心者が陥りやすい罠です。特に日産のような外部環境や業界構造の変化に影響を受けやすい企業においては、安易な判断はリスクを伴います。
一方で、EV戦略や経営改革の進捗に注目し、中長期でのリターンを見込むという考え方は投資として合理性があります。重要なのは、「自分の投資判断に納得できるか」です。感情に流されず、冷静な分析を重ねたうえで意思決定することが求められます。

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