中国企業DeepSeek(ディープシーク)は、2025年初頭に高性能・低コストの大規模言語モデル「R1」や「V3」を公開し、AI業界に衝撃を与えました。しかし、その後も技術革新だけでなく、セキュリティ・規制・運用面で注目されており、現在の状況は一筋縄ではありません。本記事では、“あの話題”のその後を整理します。
高性能モデルの登場と“ショック”の意味
主力モデル「R1」は、OpenAIのo1と同等性能ながらトレーニング費用は極めて低く、オープンソースで提供されたことで“ディープシーク・ショック”と呼ばれ、NVIDIAなど米テック株が急落しました 。
続いて公開された「V3」は、Mixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャ採用で性能面でも評価が高く、GPT-4o水準との比較もされました 。
利用環境とセキュリティの懸念
ブラウザ・アプリ・APIが広く提供され、無料利用も可能ですが、利用者データが中国サーバーに送信される疑いや、1月には大規模なサイバー攻撃報告が出ています 。
実際にNECなど主要企業・官公庁レベルで利用が禁止される例も出て、プライバシー/セキュリティ面で強い懸念が持たれています 。
規制と各国の対応
韓国・台湾・イタリア・オランダ・カナダ・オーストラリアなどでは政府関連機関へのAI導入制限やアプリダウンロード禁止などの措置が取られています 。
米国では国家安全保障の観点から監査対象となり、商務省レベルで政府機器での使用制限が出ており、世界的に監視の目が注がれています 。
技術的論争と知財問題
DeepSeekはOpenAIモデルを知識蒸留によって学習したのではないかとの指摘があり、OpenAIやMicrosoftなどが調査中とされ、技術的・法的にグレーな点が残ります 。
また、低コストで強力なAIを開発したからこそ「倫理や正当性」に関する議論が起きており、一部では“安かろう・危険高し”との評価も出ています 。
今後に向けた期待と懸念
一方で、MoE・低コスト・オープンソースといった特徴は、多様なAI開発の参入を促進する可能性があり、中小企業や研究者にとっては魅力的です 。
ただし、セキュリティ対策、プライバシー管理、国際規制との整合性などがないまま普及が進むと、リスクの方が先行するケースも十分に考えられます。
まとめ:話題は継続中だが、要注視フェーズへ
DeepSeekの登場はAI技術に新たな可能性を示すものでしたが、その後は性能だけでなく、安全性や規制対応といった現実的な課題が浮き彫りになっています。現在は“技術実証期”から“評価・監視期”に移行しつつある状態です。
今後その進化と社会的対応がどう進むか、引き続き注目されるAIプロジェクトの一つです。

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