USA360の長期保有リスクとは?S&P500との違いや適切な投資期間を解説

資産運用、投資信託、NISA

長期投資における「リスクとリターン」のバランスは、投資信託の性質によって大きく異なります。S&P500は15年以上の保有で収益がマイナスになる可能性が極めて低いとされていますが、レバレッジ型バランスファンドであるUSA360は同様と考えて良いのでしょうか?本記事では、USA360の特性と長期保有に関する考察を初心者にもわかりやすく紹介します。

USA360とはどんな商品か?基本を押さえよう

USA360は、大和アセットマネジメントが運用するバランス型ファンドで、米国株式に90%、米国債券に270%相当のレバレッジをかけて運用されているのが特徴です。結果として、株式と債券を合わせて実質360%のポートフォリオになるため「USA360」と名付けられています。

一見すると高リスクに見えますが、債券比率が高いため株式単独に比べて値動きは比較的穏やかです。しかしレバレッジの影響により、金利上昇時や債券市場が不調な局面では下落リスクも存在します。

S&P500との保有期間比較:15年ルールは通用するか?

S&P500は過去のデータから、15年程度以上保有することでマイナスリターンの確率がほぼゼロになると示されています。これは株式市場が経済成長に連動しやすい構造のためです。

一方、USA360は債券市場の影響が大きく、特に長期金利の動向によっては運用成績がS&P500よりもブレやすくなります。過去の試算ベースで見ると、10〜15年程度保有すればプラスリターンになる確率は高まりますが、S&P500ほどの安定性はないというのがポイントです。

金利動向とUSA360のリスク:実例を踏まえて

2022〜2023年の米国では急激な利上げが行われ、債券価格が大きく下落しました。これにより、USA360はパフォーマンスが悪化した時期があり、投資家の中には「思ったよりも下がる」と感じた方も少なくありません。

たとえば、S&P500が横ばいだった局面でもUSA360は金利上昇の影響でマイナスリターンを出した例があります。これは、レバレッジをかけた債券部分が逆風を受けたためです。

USA360に向いている投資スタンスとは?

USA360は、リスク許容度があり、10年以上の長期で積立投資を考える投資家に向いています。毎月積立で購入しながら、株式と債券の両面から米国市場に分散投資したい人にとって、NISAとの組み合わせも魅力的です。

  • リスクを抑えつつ成長も狙いたい
  • 株式単独だと下落が怖い
  • インフレにも備えたい

こういったニーズを持つ投資家には、適切な選択肢と言えるでしょう。

注意点:USA360の「見えないコスト」

USA360の信託報酬は0.5%前後と高くはないものの、レバレッジ債券にはスワップコストや取引コストが含まれています。そのため、表面的な手数料以上に実質的なコストは高くなる傾向にあります。

また、市場環境によって大きく上下するため「価格が下がったから買い時」と単純に判断するのではなく、相場環境と構成資産の比率をよく理解することが大切です。

まとめ:USA360は長期投資に向くが、構造理解が鍵

USA360はS&P500と同様に長期保有することでリスクを抑えることができますが、その期間の目安はやや長く見積もる必要があります。最低でも10年、できれば15年以上の保有を前提とすることで、マイナスリターンの可能性を低くできます。

ただし、金利動向などの影響を受けやすいため、公式の説明資料なども参考にしながら、自分の投資目的に合っているか慎重に判断しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました