資産運用を始めた20代後半の方が、老後やライフイベントを見据えて、どのようにNISAや特定口座の資産を取り崩していくかは、重要なテーマです。特に新NISAが満額になった後、旧NISAの非課税期間終了が重なるタイミングでの判断は、運用成果に大きな差を生むこともあります。本記事では、実際の投資家の悩みに寄り添いながら、NISA口座ごとの出口戦略について解説します。
旧NISAと新NISAの制度の違いを再確認
旧NISA(一般NISAやつみたてNISA)は、非課税期間が終了すると、自動的に特定口座に払い出され、そこで課税対象の資産として管理されるようになります。一方、新NISAは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を併せて生涯1,800万円の非課税投資枠があり、売却後に枠が復活するロールオーバー的性質はありません。
このため、旧NISAで保有していた資産が非課税期間終了後にどうなるか、また新NISAの枠が埋まった後の戦略を明確にしておく必要があります。
出口戦略①:まずは特定口座から取り崩すべき理由
原則として、取り崩しの優先順位は課税対象である「特定口座」→非課税の「旧NISA」→「新NISA」が合理的です。なぜなら、新NISAでの運用益は将来も非課税のまま成長し続ける可能性が高く、資産の最大化には極めて有利なためです。
たとえば、特定口座に100万円、旧NISAに100万円、新NISAに100万円の資産があると仮定し、年間10%の成長が続く場合、課税対象の特定口座は利益から約20%の税金が差し引かれます。これに対してNISAは非課税のため、同じ10%の利回りでも将来的に大きな差が生まれます。
出口戦略②:旧NISAの非課税終了時にどう対応するか
旧NISAの非課税期間が終わる際には、事前に売却するか、そのまま特定口座に払い出して保有し続けるかの選択が求められます。このとき、利益が十分に出ており、税負担が大きくなりそうであれば、非課税期間内に売却して現金化するという判断も有効です。
一方で、長期保有目的の銘柄であれば、課税されても成長余地を重視して特定口座での継続保有を選ぶのも選択肢のひとつです。ポイントは「売却益に対する税負担」と「将来の成長可能性」とのバランスです。
取り崩しのタイミングをどう考えるか
「投資信託は積み立てるときよりも降ろすときの方が難しい」と感じる方は多いです。ベストなタイミングを計るのは難しいため、「定額取り崩し」や「定率取り崩し」といった方法が活用されます。
たとえば、60歳で毎月5万円ずつ取り崩すプランであれば、市場の上下に左右されにくく、生活資金としての安定性が確保されます。下落局面では取り崩し金額が資産に対して大きくなりますが、取り崩しペースをコントロールすれば影響を和らげることも可能です。
出口戦略③:使う目的があるなら臨機応変に
投資は目的あってこそ価値を持ちます。40代でマイホーム購入や教育費が必要な時期と重なれば、その時点で現金化して目的に充てるのも一つの選択肢です。無理に「投資を続けなければ」と思うより、「必要なときに引き出せる」柔軟性があることも大きなメリットです。
また、NISAに再投資枠が残っていれば、そのタイミングで非課税口座への入れ替えも可能になります。
まとめ:NISAは“出口”を意識することで本当の価値が生まれる
積み立てフェーズでは「積み立てればいい」だけだった投資も、取り崩しフェーズでは「税制」「タイミング」「目的」の3点を意識する必要があります。最も得をするのは、非課税口座を最大限に活用しつつ、必要なときには迷わず使う判断ができる人です。
未来の自分に「投資しておいてよかった」と思えるよう、戦略的に準備を進めていきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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