「国債が売られると金利が上がる?買われると金利が下がる?」と聞くと、一見矛盾しているように感じるかもしれません。でも、これは金融の世界では当たり前の原理です。この記事では、小学生でもわかるような例を交えて、国債と金利の関係をていねいに解説していきます。
そもそも「国債」とは何?
国債とは、国が「お金を貸してください」と発行する借用証書のようなものです。たとえば、あなたが国に10万円を貸す代わりに「毎年500円(金利0.5%)」の利子をもらえる約束をしたとします。これが国債の基本的な仕組みです。
この国債は「満期」になると、貸したお金(元本)と利子が返ってくるので、投資家たちは「安全な資産」として取引しています。
国債と金利の関係を簡単に言うとこうなる
国債の金利は「利回り」で表されます。国債価格が下がると、利回り(金利)は上がる。逆に、国債価格が上がると、利回りは下がる。この関係がとても重要です。
なぜそうなるのか?簡単な例で見てみましょう。
例で理解:100円の国債を90円で買ったら?
たとえば、あなたが「毎年5円の利子がつく、元本100円の国債」を買うとします。
● この国債を「100円」で買った場合 → 利回りは 5 ÷ 100 = 5%
● でも「90円」で買えた場合 → 利回りは 5 ÷ 90 = 約5.56%
つまり、安く買えた方が、毎年の利子が“お得”になり、利回り(=金利)が上がるというわけです。
反対に、人気が出て「110円」で買ったら? → 5 ÷ 110 = 約4.54%。
このように、価格が高い=利回りは低く、価格が安い=利回りは高いという逆の動きになるのです。
投資家の行動が国債の価格を動かす
たとえば、「将来の景気が不安だ」「株より安全な資産を持ちたい」と考える投資家が増えると、みんな国債を買います。人気になると価格が上がり、その分利回り(金利)は下がります。
逆に、「インフレになりそう」「金利が上がりそう」と思えば、国債を売る人が増えて価格が下がり、利回りは上がります。つまり、国債の価格と金利は、投資家の心理や経済の見通しによって動くのです。
国債利回りは「市場金利」の基準になる
長期金利(10年物国債の利回りなど)は、住宅ローンや企業の資金調達コストなど「世の中の金利」に大きな影響を与えます。だから、政府や日銀もこの国債市場を注視していて、時には買い入れ(=価格上昇=金利低下)などの政策をとることもあります。
金融政策にも大きく関わるため、国債の価格と金利の関係は、初心者でも知っておいて損はありません。
まとめ:価格と金利はシーソーのような関係
国債の価格と金利(利回り)は、「価格が上がると金利が下がり、価格が下がると金利が上がる」という逆の関係にあります。これは、同じ利子を受け取る場合でも、「いくらで買ったか」によって“お得度”が変わるからです。
この原理がわかれば、金利ニュースや経済指標も理解しやすくなります。小さな一歩ですが、経済の仕組みを読み解く大きなカギになります。

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