テクニカル分析において、ローソク足のパターンは相場の転換点や継続の兆しを読み取る手がかりになります。なかでも「包み足(エンギルフィングパターン)」は、トレーダーの心理を反映した強力なサインとして注目されています。この記事では、上昇トレンド中に現れる陰線→陽線の包み足について、勝率や注意点、活用法を具体例を交えて解説します。
包み足(エンギルフィングパターン)とは?
包み足とは、2本のローソク足で構成され、2本目の足が1本目の足の実体を完全に包み込む形になるチャートパターンです。上昇を示唆する「ブルリッシュ・エンギルフィング(陽線の包み足)」と、下落を示唆する「ベアリッシュ・エンギルフィング(陰線の包み足)」があります。
今回のように、上昇トレンドの途中で陰線を大陽線が包む場合は、強気の買い圧力が再び戻ってきたサインとして注目されます。
上昇トレンド中の陽線包みは「押し目買い」のサイン?
上昇トレンド中に現れる陰線→陽線の包み足は、短期的な調整(陰線)を経て、再び上昇方向に転じる兆しとして捉えられます。特に、移動平均線やサポートライン付近で現れるときは、信頼度が増します。
例:5日移動平均線にタッチした後に陰線→陽線の包み足が出現した場合、その後数日間で上昇する確率が高まる傾向があります。
統計的に「まあまあ勝てる」のか?勝率を検証
複数の検証データによれば、陽線の包み足が上昇トレンド中に発生した場合、次の数日間での上昇確率は60〜65%前後とされています。絶対的な勝率ではないものの、方向性を判断する補助材料としては有効です。
ただし、単体のシグナルとして使うよりも、出来高の増加やMACD、RSIなど他のインジケーターと併用することで精度が高まります。
勝てると思っても「落とし穴」には注意
包み足は相場の一時的な反発を示しているだけのケースもあるため、長期の下降トレンド中に出現した場合などは逆張りになってしまい、だましの可能性が高まります。
注意点:・上昇トレンド中かどうかを移動平均線で確認する・前日の陰線が「小陰線」や「コマ」など弱気のローソク足であること・出来高が伴っていることなどの条件が重なるとより信頼度が高くなります。
実践的なトレード戦略:エントリーと損切り
陽線の包み足が出現した翌日の高値を超えたタイミングで買いエントリーし、損切りは包み足の安値や1つ前のサポートラインに設定するのが一般的です。
また、目標利確ポイントとしては、前回高値や直近のフィボナッチターゲットなどを設定することで、リスクリワードのバランスが取れた戦略になります。
まとめ:包み陽線はあくまで補助的なサインとして活用を
上昇トレンド中の陰線を陽線が包み込む「包み陽線」は、テクニカル分析において有効なシグナルの1つです。ただし、それ単体で「まあまあ勝てる」と判断するのではなく、相場環境や他の要因と組み合わせて活用することが大切です。
特にトレード初心者の方は、再現性のあるルールを持ち、損切りラインを明確にしたうえで取り組むことが、安定した運用につながります。

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