金銭信託と社債はどう違う?仕組みとリスクをわかりやすく解説

資産運用、投資信託、NISA

投資先として比較されることの多い「金銭信託」と「社債」。一見すると、どちらも満期まで保有すれば利息がもらえて元本も返ってくるという点で似ていますが、その中身には重要な違いがあります。この記事では、両者の基本構造とリスクの違いについてわかりやすく解説します。

金銭信託とは何か

金銭信託とは、投資家(委託者)が金融機関(受託者)にお金を預け、信託契約に基づいて運用してもらい、その利益を受け取る仕組みです。一定の期間後に元本と利息を受け取るタイプの「特約付き金銭信託」が一般的です。

例えば「予定配当率1.0%」と表示されている場合、あくまで「予定」であり、運用状況により元本割れのリスクもあります。また、元本保証がある場合でも、それは「信託元本補填契約」など特別な仕組みがある場合に限ります。

社債とは何か

社債は、企業が投資家からお金を借りるために発行する債券です。定期的な利息(クーポン)を受け取り、満期には額面金額が返される仕組みです。通常、倒産などの重大な信用リスクがない限り、元本は償還されることが前提です。

ただし、社債は企業の信用力に大きく依存するため、倒産などが起きれば元本は戻らず、利息も支払われないリスクもあります。つまり「信用リスク」が最も大きなポイントです。

金銭信託と社債の主な違い

項目 金銭信託 社債
契約相手 信託銀行 企業
元本保証 基本的に保証なし(一部商品にあり) 満期まで保有すれば原則あり
利息の形態 予定配当率 クーポン(利率)
運用主体 信託銀行が資産運用 企業が資金活用
倒産リスク 信託財産は分別管理(原則保護) 企業の倒産時は全額損失の恐れ

それぞれのメリットとデメリット

金銭信託のメリットは、運用をプロに任せられる点と、多様な資産で構成されている場合があることです。デメリットは、元本保証がない場合があること、予定配当率が確定利回りではないことです。

一方、社債のメリットは、定期的な利息と償還条件の明確さです。デメリットは、企業の信用リスクに晒される点であり、リスク分散がしにくいことです。

実際の選択例:どちらを選ぶべきか

「低リスクで安定した収益を狙いたい」場合には、元本補填型の金銭信託や、信用格付けの高い社債が選ばれることがあります。一方で、金銭信託は比較的短期間の商品が多く、運用期間を調整しやすいという特徴もあります。

実際に、定年退職後の資金運用として「満期3年・予定配当率0.8%の金銭信託」を選ぶケースも多く見られますが、リスク説明を受けてから選ぶべきです。

まとめ:似て非なる金融商品

金銭信託と社債は、どちらも「元本+利息」という結果が期待される商品ですが、その仕組み・リスク構造は大きく異なります。金銭信託は信託契約に基づいた運用型商品であり、社債は企業の借金の証書です。

資産運用を考える際には、リスク許容度・投資目的・流動性ニーズに応じて、それぞれの特性をしっかり理解したうえで選ぶようにしましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました