株式投資を始めたばかりの方にとって、出来高が少ないにもかかわらず大きく株価が動く現象は、不思議に思えるかもしれません。しかし、実際にはこのような動きは珍しくありません。今回は、出来高4700、売買代金28,035千円、株価+70円となった岡野バルブ製造を例に、その仕組みをわかりやすく解説します。
株価は「最後に成立した価格」で決まる
まず前提として、株価とは市場で「最後に成立した取引価格」を指します。そのため、すべての取引の平均価格ではなく、最後に売買が成立した時点の価格が「現在の株価」として表示されます。
たとえば、ある株が1,000円で推移していて、売り注文が出ておらず、買い手が1,070円で成行注文を出した場合、次に成立する価格は1,070円となり、それがそのまま株価として表示されます。
出来高が少ない=流動性が低い銘柄の特徴
出来高が少ない銘柄は「取引参加者が少ない」「売り板・買い板が薄い」ことを意味します。こういった状況では、少しの買い注文や売り注文であっても、価格が大きく動きやすくなります。
岡野バルブ製造のような小型株・流動性が低い銘柄では、たとえ数百株レベルの注文でも株価に大きなインパクトを与える可能性があるのです。
売買代金から見る平均単価と価格変動の関係
売買代金28,035千円 ÷ 出来高4700株 ≒ 平均単価5,967円となります。これは売買された株価の平均が約5,967円であることを示しますが、これはあくまで平均値。取引の最後に成立した価格が6,070円(仮)だった場合、+70円という終値が記録されます。
つまり、全体の出来高が少なくても、最後の価格が高くなれば「株価上昇」と表示されるのです。
板の厚みと価格変動の関係性
株の売買は「板情報」に基づいて行われます。売りたい価格帯に注文が少ない場合、買い手が高い価格で成行買いを出せば、その分だけ「高い価格」で取引が成立します。
岡野バルブ製造のような銘柄で板が薄いと、100株の買い注文であっても5〜10円単位で価格が上昇することがあり、それが連続すれば「+70円」といった値動きになることも珍しくありません。
実例で理解する価格変動
たとえば以下のようなケースを考えてみましょう。
時間 | 取引価格 | 出来高 |
---|---|---|
9:30 | 5,960円 | 200株 |
10:00 | 5,980円 | 100株 |
14:59 | 6,070円 | 50株 |
このように出来高が少なくても、終値が6,070円であれば+70円の株価上昇として記録されるのです。
まとめ:少額でも動く理由は「流動性」と「板の薄さ」
岡野バルブ製造のような流動性の低い銘柄では、少ない出来高でも一つの成行注文で株価が大きく動くことがあります。これは異常ではなく、特に小型株に見られる特徴です。株価の変動要因を理解することで、投資判断もより適切に行えるようになるでしょう。
なお、流動性が低い銘柄は利益も損失も大きくなりやすいため、取引の際は十分な注意が必要です。

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