高金利通貨として知られるトルコリラは、スワップポイント狙いの投資対象として注目を集めています。しかし、為替の変動リスクを加味すると、果たして本当に長期で利益が見込めるのか。本記事では、スワップ益と為替損のバランスや投資判断の考え方について詳しく解説します。
トルコリラの政策金利とスワップポイントの関係
トルコは近年、インフレ抑制のために非常に高い政策金利を維持しており、その影響でFX会社経由で得られるスワップポイントも他国通貨に比べて魅力的です。
たとえば2024年時点では、日々100円〜150円程度(1万通貨あたり)のスワップポイントが得られるケースもあり、年間で数万円のスワップ収入が見込めます。
為替損とのバランス:スワップで補えるのか?
トルコリラは長期的に見ると対円で大きく下落してきました。たとえば2013年は1リラ=50円台でしたが、2024年には5円台を割り込む場面も。
このように、スワップで得られる年利数%〜10%以上の利回りも、為替下落による元本毀損で帳消し、あるいはマイナスになるリスクもあります。
実例:スワップ益と為替差損の試算
仮に1万通貨を10円で購入、年利10%で5年間保有し、スワップで50,000円の利益を得たとします。5年後に為替が5円に下落した場合、為替損は50,000円(1万通貨×5円)となり、結果として±0です。
実際にはスプレッドやロールオーバーコスト、税金もあるため、手元に残る金額はさらに少なくなります。
長期で保有すべきか?出口戦略がカギ
高スワップ狙いでの投資は、必ずしも短期で結果が出るものではなく、ある程度の為替変動リスクを覚悟した中長期投資となります。そのため、「どの水準まで円安に戻せば決済するか」「ロスカットラインをどこに置くか」など、明確な戦略が重要です。
また、為替の動きが極端な場合は、スワップ益の期待を超えて損失が膨らむため、レバレッジを抑えて耐久力のある運用が求められます。
トルコ経済の不安定さにも注意
トルコ経済はインフレや政治リスクなど構造的な不安定要素を抱えており、金利政策の変更も急激に行われる可能性があります。これにより、スワップ益が突如縮小することも想定すべきです。
一例として、2021年以降は中央銀行の総裁交代などによって市場の混乱が相次ぎ、トルコリラの下落に拍車をかけました。
まとめ:スワップだけを頼りにするのは危険
トルコリラは高スワップが魅力的である一方、為替リスクも非常に高く、結果として利益が相殺されるケースも多くあります。
スワップポイントを収入源として考えるのであれば、通貨の選定、タイミング、リスク管理を徹底し、「スワップ=無敵」の誤解を避けることが、長く利益を得るための鍵です。

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