NISA口座を通じて投資を始めると、毎年の損益やトータルリターンの数字に疑問を感じる場面があります。たとえば「買付金額から計算した利益より、実際のトータルリターンが大きい」場合、その理由はどこにあるのでしょうか?本記事では、SBI証券でよくあるこのようなケースを例に、NISA口座の評価益や複利の仕組みをわかりやすく解説します。
「トータルリターン」とは何を意味するのか?
SBI証券に表示される「トータルリターン」は、累積の買付金額に対して現在の評価額がいくらプラス(あるいはマイナス)かを示す金額です。これは毎年の利益の合計ではなく、現在保有している全ての商品の評価損益を合算したものです。
たとえば2024年に購入した投資信託が含み益を出しており、それを2025年も持ち続けている場合、その利益分も2025年の評価額に加算されています。そのため、2025年のリターン表示には「2025年の買付分の利益」だけでなく、「前年までに買った分の評価益」も反映されているのです。
複利の効果とは?利息が利息を生む仕組み
質問にある「これは複利なのか?」という点については、投資信託などの再投資型ファンドであれば、分配金が再投資されることによる複利効果が働きます。
たとえば、2024年に得られた利益を再投資することで、その分にもさらに2025年の成長率が適用されることになります。これが「複利で資産が増える」仕組みです。とはいえ、SBI証券の「年間損益」と「トータルリターン」は必ずしも複利計算だけではなく、あくまで「現在の時点でいくら増えているか」に焦点を当てた数字です。
例で見る:買付金額と損益のズレの理由
質問の内容をもとに例を整理してみましょう。
- 2024年:500万円投資 → +19%(+95万円)
- 2025年:237万円投資 → 実績 +1.8% → 理論上の利益:約+43,000円
このように2025年の買付分だけを見れば+43,000円ほどが正しいように見えますが、実際には2024年に購入した商品が2025年も保有されており、その評価益がさらに伸びている可能性があります。つまり「2025年に新たに買った商品+既に持っている商品すべて」が反映された金額が129,447円なのです。
NISAは非課税で再投資がしやすい仕組み
新NISAの魅力は、利益に対して税金がかからないこと。通常であれば利益に20.315%の税金がかかりますが、NISAならそのまま再投資に回すことができるため、複利効果を最大限に活かすことができます。
たとえば、100万円が1年で+10%となった場合、通常口座では約8万円しか再投資できませんが、NISAなら10万円全額を再投資できるため、次年度の運用効果に差がつきます。
SBI証券で表示されるリターンの見方
SBI証券では、「年間損益」「評価損益」「トータルリターン」など複数の指標が表示されますが、それぞれ意味が異なります。
- 年間損益:その年に買った商品のみの損益
- 評価損益:現在保有している商品の評価益
- トータルリターン:買付金額に対しての累積損益
したがって、「2025年の利益が思ったより多い」と感じた場合、それは前年までの評価益や複利の効果が加味されていると理解すれば納得できます。
まとめ:数字の背景を理解してNISA運用をもっと安心に
投資においては、「なぜこうなっているのか?」という数字の背景を理解することが非常に大切です。SBI証券のトータルリターンが思ったより多い場合は、前年までの保有分の成長や複利の影響が含まれているから。これは長期運用における「資産形成の醍醐味」でもあります。
焦らず、着実に資産を積み上げるためにも、リターンの構成を正しく理解して運用に活かしていきましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント