楽天VTIの分配金再投資と評価額の関係を正しく理解しよう

資産運用、投資信託、NISA

楽天VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド)に投資していると、「分配金再投資後に評価額が増えるはずなのに増えていない?」と感じることがあります。特に旧つみたてNISAなどで投資している場合、その仕組みを正しく理解することが重要です。本記事では、楽天VTIの再投資や評価額の見方についてわかりやすく解説します。

楽天VTIは再投資型の投資信託

楽天VTIは「分配金再投資型」の投資信託です。つまり、決算日(年1回、例年7月15日ごろ)に分配金が出たとしても、それは自動的に再投資に回され、口数としてファンド内に組み込まれます。そのため、現金としての分配金は受け取れません。

投資家側から見れば、再投資された金額は新たな元本の追加ではなく、あくまで保有しているファンドの内部での再運用になります。よって、評価額はそのままであってもおかしくありません。

再投資された金額はどう反映される?

再投資によってファンドの基準価額(1万口あたりの価格)は分配金相当分だけ下落しますが、代わりにその分の口数が増えることで、トータルリターンは変わりません。

たとえば、分配金が1万円出たとして、それを再投資すれば口数が増えますが、基準価額がその分下がるため、評価額は理論上変わりません。実際に評価額が増えるのは、その後の基準価額の上昇に依存します。

再投資直後に評価額が変わらないのは正常

「再投資されたのに57万円のまま」という状態は、仕組み上ごく自然です。再投資後すぐに基準価額が上昇しない限り、評価額は大きくは変動しません。

また、証券会社のシステムや反映タイミングによって、分配金再投資の内容が表示に反映されるまでに数営業日かかる場合もあります。

評価損益の再計算はどうなる?

分配金が再投資されることで、口数が増えますが、元本としては自動的に再計算されるわけではありません。楽天証券の場合、元本(取得額)はあくまで「購入時の金額」に依存しており、再投資部分も含めたトータルの元本を自動調整するわけではないため、「元本57万円に+42%=81万円」となるわけではないのです。

このため、評価額が変わらなくても、実際のトータルリターンが下がっているわけではありません。

長期投資では分配再投資の効果が大きい

楽天VTIのような再投資型ファンドでは、分配金が自動的に再投資されることで「複利効果」が得られます。時間の経過とともに、この再投資された金額がさらにリターンを生むため、長期投資では非常に大きなメリットになります。

毎年の分配金が元本の再投資として加わることで、資産は雪だるま式に増えていきます。評価額の変動に一喜一憂せず、長期的な目線で見守ることが大切です。

まとめ:評価額と分配金再投資の誤解を解く

楽天VTIで「再投資されたのに評価額が増えない」と感じたとしても、それは誤解であることがほとんどです。分配金は再投資により口数増加という形で資産に組み込まれ、基準価額が動くことで将来的な評価益に反映されます。

焦らずに制度と仕組みを理解し、長期的な資産形成を続けていくことが最良の選択です。

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