「毎月10万円を積み立て、毎月5%を取り崩す」といった戦略は、老後資金の運用やFIRE後の資産管理などで非常に注目される運用モデルです。こうしたシミュレーションを現実の過去相場で行うには、どんな方法やツールがあるのか、この記事では具体的に解説していきます。
積立&取り崩しのシミュレーションは実現可能?
結論から言うと、過去の相場データを使って「積立+定率取り崩し」のシミュレーションは可能です。特に最近ではウェブ上でも無料・有料のツールが提供されており、手軽に検証できるようになっています。
一方で、柔軟な条件設定(途中で積立停止、年ごとのリターン変化など)を行いたい場合は、ExcelやGoogleスプレッドシートで自作するのがベストな場合もあります。
おすすめの無料・有料シミュレーションツール
- FIRECalc(英語):過去の米国株データ(1926年以降)を使い、支出を含めた運用シミュレーションが可能。
- Portfolio Visualizer:積立・リバランス・定率取り崩しを複合的にシミュレート可能。ETFやファンドの選択肢も豊富。
- バンガード・レティアメント・ネストエッグ計算機(Vanguard Nest Egg Calculator):将来資産が尽きる可能性を確率で可視化。
- 楽天証券やSBI証券の資産形成シミュレーション:条件が限られるものの、日本のファンドに特化した運用プランを試算できます。
いずれも細かい設定を行うにはやや慣れが必要ですが、投資信託(例:ゴールドプラスやレバナス)などを長期視点で評価するのに有効です。
エクセルでの自作シミュレーションもおすすめ
取り崩し率や相場の変動パターンを柔軟に組み込みたい場合は、やはりExcelでの自作が強力です。以下のような構造で作ることができます。
- 列A:年月(例:2020年1月~)
- 列B:毎月積立額(例:¥100,000)
- 列C:月ごとの投資信託騰落率(過去データ)
- 列D:運用残高
- 列E:取り崩し額(例:運用残高×5%)
過去データは、モーニングスターやYahoo!ファイナンス、投資信託の月次レポートなどから取得できます。Googleスプレッドシートで作れば、クラウドでいつでも編集可能です。
投資信託選びの注意点と取り崩し戦略
「ゴールドプラス」や「レバナス」のように値動きの大きい商品では、毎月の取り崩しによって逆に資産が減少してしまうリスクもあります。特にレバレッジ型の投信は下落局面でのダメージが大きく、「取り崩しながら増やす」という運用は困難になる可能性もあります。
そのため、取り崩し率は保守的に設定する(例:年3〜4%程度)ことや、値動きの少ないインカム資産との組み合わせも検討すると良いでしょう。
実例:月10万円積立+毎月5%取り崩しでどうなる?
仮に2009年から2023年の米国株式インデックス(S&P500)を対象に、月10万円積立+毎月5%取り崩しをシミュレートした場合、序盤は資産が大きく増加する一方、2020年のコロナショックなどの局面では取り崩しが資産減少に拍車をかける結果も見られます。
逆に取り崩しを「年1回」「固定金額」とすることで、資産寿命が延びるケースもあり、取り崩し方法の選択が運用成果に大きな影響を与えることがわかります。
まとめ:ツール+エクセルで柔軟なシミュレーションを
積立と取り崩しを組み合わせた運用モデルは、老後資金計画やFIRE後のキャッシュフロー戦略において極めて重要なテーマです。無料ツールを活用しつつ、Excelやスプレッドシートで自分の条件に合わせてカスタマイズするのが理想的な方法です。
特に相場変動やインフレを考慮した取り崩し戦略は、実運用に大きな差を生み出します。複数のツールを比較しながら、よりリアルなシミュレーションを実践していきましょう。

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