ステーブルコインに夢はない?投資・投機の観点からその役割と可能性を考察

資産運用、投資信託、NISA

ステーブルコインは、ビットコインやイーサリアムといったボラティリティ(価格変動)が激しい暗号資産とは異なり、法定通貨(主に米ドル)に連動して価値を安定させるよう設計された通貨です。価格が安定しているという性質から、「夢がない」「値上がりしない」といった誤解もありますが、ステーブルコインには独自の役割と投資的価値があります。

■ ステーブルコインとは何か?基本の理解

ステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨に1:1で価値を連動させた暗号資産です。たとえば「USDT(Tether)」や「USDC(USD Coin)」は常に1ドルに近い価値を維持します。価格変動を抑えることで、暗号資産の決済手段としての信頼性を高める目的で利用されています。

ビットコインのように急騰・急落する資産とは異なり、安定通貨としての役割を担うため、送金・決済・取引所間の資金移動などで主に使われています。

■ ステーブルコインの価格が上昇しない理由

ステーブルコインは発行元が準備金として同等の法定通貨を保有することで、常に「1コイン=1ドル」となるよう設計されています。これは中央銀行のような存在が裏付けることで、価格が急騰したり暴落したりすることがないようにしています。

つまり、価格の「安定」が目的であるため、そもそも価格上昇によるキャピタルゲイン(値上がり益)は想定されていないのです。

■ それでもステーブルコインに価値はあるのか?

価格が上がらないからといって、投資対象としての価値がゼロというわけではありません。実際、以下のような活用法があります。

  • DeFi(分散型金融)でステーキングして利回りを得る
  • 高金利レンディングプラットフォームで運用する
  • 為替変動リスクのヘッジ手段として利用

たとえば、USDCをDeFiサービスに預けて年間5%〜10%の利回りを得るといった運用が可能です。これは「値上がり益」ではなく「インカムゲイン(利息収入)」を狙う方法といえます。

■ 実例:ステーブルコインで得られる利回り

あるユーザーがUSDTをレンディングサービス「Aave」に預けたところ、年利6%が付与されました。300万円相当を預けていた場合、1年間で約18万円の利息が発生します。価格が変動しないため、元本割れのリスクが低いことも魅力です。

また、暗号資産の暴落時に一時的に避難先としてステーブルコインに資金を移すといった使い方も一般的です。

■ 投機的な夢を求めるなら他の資産を

ステーブルコインは、短期間で2倍3倍になるような夢は確かにありません。それはビットコインや新興アルトコインのような高いボラティリティを持たないためです。

ただし、夢だけを追いかけて大きな損失を被るより、安定した利回りを得たい人やリスクヘッジを重視する投資家にとっては、有効な資産選択肢の一つといえます。

■ まとめ:ステーブルコインは「夢がない」が「無価値」ではない

ステーブルコインは確かに価格の高騰は望めませんが、その代わりに価格の安定性と利回り運用の柔軟性を備えています。「投機」ではなく「運用」や「管理」の観点から捉えることで、むしろ初心者にも扱いやすく、ポートフォリオのバランスを取る上で有用です。

もし「夢」だけを求めるなら他の資産に目を向けるべきですが、堅実な運用や資産保全という意味では、ステーブルコインは非常に実用的な選択肢といえるでしょう。

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