テクニカルトレードでは、押し目買いのタイミングを測る上でロウソク足パターンが重要な手がかりになります。中でも「包み足」は反転シグナルとして使われることが多いですが、その長さや出現位置によっては判断が難しいことも。本記事では、浅い押し目での包み足発生とその後の高値更新が「押し目買い」と言えるのかを掘り下げます。
包み足とは?トレンド反転の代表的シグナル
包み足(エンゲルフィング)は、前のローソク足を完全に包み込む強い実体を持ったローソク足です。陽線の包み足が下降トレンド中に出れば上昇の兆しと見なされ、押し目買いの根拠になります。
しかし、包み足の実体が大きく、すでに高値を更新してしまった場合、押し目の終わりか、それとも既に次の波動が始まっているのか、慎重な判断が必要です。
「浅い押し目」か「トレンドの再加速」かを見極める
押し目とは一般的に、上昇トレンド中に一時的に価格が下がるポイントを指します。浅い押し目の場合、調整がごく短期間または小幅にとどまり、すぐに再上昇するケースがあります。
包み足が発生し、それが高値を更新するほど長い場合、「押し目買いの押し目」のようなタイミングを逃す可能性もあります。こうした場面では、そのローソク足自体が「新しい上昇波の起点」として見るべきです。
押し目かどうかの判断軸:価格の構造を見よ
押し目と判断するには、以下のような要素をチェックしましょう。
- 包み足が出る直前の調整幅(前回高値からの下落幅)
- 移動平均線やフィボナッチ38.2%~61.8%の範囲で反発しているか
- その包み足の出現位置が支持線や需要帯にあるか
これらの要素がそろっているならば、たとえ包み足が長くても「押し目」として機能していると考える余地はあります。
実例:高値更新しても押し目になるケース
ある上昇トレンドで、調整が浅く10日移動平均線で反発。そこに長い陽の包み足が出現し、一気に前回高値を突破。通常なら押し目での反発だが、高値更新により一部トレーダーは乗り遅れたと感じるかもしれません。
しかし、このようなケースでも、直前の調整の存在と、技術的根拠があれば「押し目買いは成立していた」と言えるのです。
結論:高値更新=押し目失敗とは限らない
「包み足が高値を更新したから、押し目ではない」と結論づけるのは早計です。重要なのは、ローソク足の形状だけでなく、その前後の価格構造、トレンドの状況、サポートラインとの関係性を総合的に判断することです。
仮に高値更新していたとしても、それが浅い押し目からの反発であるならば、戦略的には「押し目買い」として有効だった可能性も十分にあります。
まとめ:押し目の定義は柔軟に、チャート全体の文脈で判断を
ロウソク足一つの形や値動きだけで押し目かどうかを決めるのではなく、チャート全体の構造やトレンドの強さといった「文脈」で判断することが、勝率の高いトレードには不可欠です。
浅い押し目に包み足が出て高値を更新した場合も、それが戦略的なエントリーポイントであれば、「押し目買いは成立していた」と考えるのが合理的です。重要なのは再現性ある手法として、一貫したルールのもとに判断することです。

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