SBI証券から野村證券へS&P500投信を移管できる?NISA・特定口座の注意点と手続き方法

資産運用、投資信託、NISA

投資信託やETFを保有していると、他の証券会社に一部だけ移したいと考えることがあります。特に「NISAはSBI証券で運用しているけれど、特定口座の一部商品だけ野村證券に移したい」といったケースは多くの方が直面する悩みです。本記事では、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」をSBI証券から野村證券へ移管する方法や、NISA口座との関係、実際の注意点について詳しく解説します。

移管(振替)とは何か?基本の理解

金融商品を他の証券会社へ「移管」することは、正式には「移管(振替)」と呼ばれます。これにより、売却せずにそのままの状態で保有資産を別証券口座に移動することができます。税務上の課税関係も通常発生せず、保有期間なども引き継がれます。

ただし、移管可能かどうかは、商品自体が移管先の証券会社で取り扱われているかに大きく左右されるため、事前確認が必須です。

eMAXIS Slim S&P500は野村證券に移管できる?

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用する人気のインデックスファンドです。野村證券もこのファンドの取り扱いがありますので、特定口座で保有している場合は、原則として移管は可能です。

ただし、NISA口座で保有している分については、制度上、他社への移管はできません。NISA資産は移管が禁じられており、そのままSBI証券で運用し続ける必要があります。

SBI証券での移管手続きの流れ

SBI証券で特定口座に保有しているeMAXIS Slim S&P500を移管するには、以下のような流れになります。

  • SBI証券の「移管依頼書」をダウンロードまたは郵送で取り寄せる
  • 移管先証券会社(今回は野村證券)の口座番号などを記載する
  • 証券保管振替機構(ほふり)経由で資産が移動される(通常2週間前後)

移管先である野村證券にて同ファンドが取り扱われていない場合、手続きが途中でキャンセルされるため、野村證券公式サイトまたは担当者への確認を事前に行っておきましょう。

注意点:NISAと特定口座の違い

NISA口座と特定口座では、制度上のルールが大きく異なります。NISA口座では、制度開始時に口座開設を行った金融機関での取引が原則となるため、NISA資産を移すことは不可です。

一方、特定口座であれば制度的な制約は少なく、移管の自由度が高いため、今回のようなケースであれば、特定口座分のみ野村證券へ移すという選択は十分に現実的です。

SBI・SCHD(米国ETF)の移管は別枠で考える

ちなみに、SBI証券で取り扱うSCHD(米国高配当ETF)は、外国株式の扱いとなるため、国内投信のeMAXIS Slimとは異なる移管プロセスになります。外国証券の移管は手数料がかかったり、さらに複雑な書類提出が必要になる場合があります。

そのため、SCHDのようなETFを移管したい場合は、必ず移管元・移管先の両方に確認を取り、取扱の可否と手数料の有無を確認してから動くようにしましょう。

まとめ:移管できるのは「特定口座のeMAXIS Slim」のみ

本記事のポイントをまとめると次の通りです。

  • NISA口座のファンドは移管不可
  • 特定口座のeMAXIS Slim S&P500は野村證券で取り扱いがあれば移管可能
  • 移管手続きには申請書と数週間の時間が必要
  • SCHDなどの外国ETFは別途手続きと確認が必要

資産を効率的に管理するために、複数の証券会社を使い分けるのは良い戦略です。ただし制度や手続きに関する理解を深めたうえで慎重に進めることが重要です。

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