年1000万円の資産増加は上位何％？サラリーマンの資産形成の実態と到達可能性を徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

2025.07.19

会社員として働きながら「年間1000万円の資産が増える」という状態は、果たして一般的なのでしょうか？本記事では、給与所得・貯金・企業型確定拠出年金（DC）・投資利益などを通じて年間1000万円を形成することが、どれほど上位の水準なのかをデータや実例を交えながら丁寧に解説します。

日本の平均的な資産形成スピードとは

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」や金融広報中央委員会の家計調査などによれば、日本のサラリーマンの平均貯蓄増加額は年間数十万円〜100万円台程度です。中には企業型DCで年数十万円ずつ積み立てている方もいますが、それを含めても年間200万円を超える人はごく一部です。

つまり、年間1000万円の資産増加は、平均的なサラリーマン像からは明らかに大きく乖離した水準にあるといえます。

たとえば以下のような構成が考えられます。

このように、高収入に加え倹約や投資スキルも備えた方であれば、現実的に1000万円以上の資産増は可能ですが、それはサラリーマン全体の中でもごくわずか、上位1〜3％に入るレベルと考えられます。

企業型確定拠出年金は、企業が従業員の将来の年金に充てるために積み立てる制度です。毎月2〜5万円程度が拠出され、長期間運用することで数百万〜数千万円規模になることもあります。

ただし、DC単体で年間1000万円の資産増を実現することはほぼ不可能であり、他の収入や投資と組み合わせてこそインパクトのある資産形成につながります。

たとえば、株式インデックスファンドに年間500万円を投資し、年間7％のリターンが得られれば約35万円の利益です。元本が多くなるほど複利の効果も大きく、仮に1億円を保有していれば年間5％の利回りで500万円の利益が得られます。

したがって、ある程度の資産形成をすでに終えている層にとっては、投資リターンの積み重ねが1000万円の資産増に大きく寄与するのです。

総務省の「家計調査」などによれば、金融資産3000万円以上の世帯は全体の約10％、1億円以上になると3〜4％です。これらの世帯の中でも、投資で年数百万円以上のリターンを安定的に得ている層はさらに限られます。

結果として、サラリーマンで年間1000万円の純資産増を実現している層は、資産形成の「上位1〜3％程度」に相当すると見るのが妥当でしょう。

会社員として年間1000万円の資産増加を実現するには、高収入・支出管理・投資知識の3拍子が揃っている必要があります。これはごく限られた上位層に位置する成果であり、一般的なサラリーマンとはかけ離れた水準といえます。

無理に比較するのではなく、自分のペースでの資産形成を目指すことが最も重要です。まずは支出の見直し、積立投資、iDeCoやNISAなどの制度活用から着実に始めましょう。

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