暗号資産の売買が増えるなか、税務上の計算方法として「総平均法」はよく使われます。特に複数回にわたり購入・売却を行った場合、正確な取得単価や譲渡益の算出にはこの手法の理解が不可欠です。本記事では、ビットコインを例に、総平均法の具体的な計算方法と注意点を解説します。
総平均法とは?概要と適用対象
総平均法は、年間に取得した同一の暗号資産の平均取得価格を求め、それを売却分に適用する方法です。国税庁のガイドラインでも、暗号資産の譲渡益の計算にこの方法が推奨されています。
すべての取得価格を合算し、総枚数で割った価格が「平均取得単価」となり、それを用いて譲渡損益を計算します。
具体例で見るビットコインの総平均法計算
以下のような取引を行った場合の計算例を見てみましょう。
- 2023年:1BTCを1,000万円で購入
- 2024年1月:1BTCを1,200万円で売却
- 2024年3月:1BTCを1,400万円で購入
- 2024年5月:1BTCを1,300万円で売却
- 2024年6月:1BTCを1,500万円で購入
この場合、購入合計額は3,900万円(1,000+1,400+1,500)、購入枚数は3BTCなので、平均取得単価は1,300万円です。
売却枚数は2BTC、売却額は2,500万円(1,200+1,300)なので、譲渡損益は以下の通りです。
譲渡益=売却金額2,500万円 – 平均取得1,300万円×2BTC=-100万円(損失)
よくある間違いと注意点
・売却ごとにその時点の取得単価で計算してしまう(移動平均法との混同)
・購入後すぐに売却しても、年間通算の平均取得単価を使う点を忘れる
・税務上は年ごとに集計する必要があるため、年をまたいだ取引には注意が必要です
実務でのポイント:記録と証拠の保存が鍵
仮想通貨の取引履歴は、取引所のCSVデータを保存し、スプレッドシートなどで記録しておくのが実務的です。年間の取得・売却履歴を把握することで、税務申告時の集計が容易になります。
また、レポート機能が優れている国内取引所や、自動計算ソフト(Cryptact、Gtaxなど)の活用も有効です。
国税庁の公式見解と申告の必要性
日本の税法では暗号資産の譲渡益は「雑所得」に区分され、所得税・住民税の課税対象となります。特に20万円を超える所得がある場合は申告が必要です。
詳細は国税庁:暗号資産の所得区分と計算方法も参照ください。
まとめ:暗号資産の損益計算は丁寧に行おう
複数回にわたるビットコイン売買では、総平均法による取得単価の算出が基本です。計算はシンプルに見えて、正確な記録とルールの理解が欠かせません。
税務申告時に困らないためにも、定期的な記録の見直しと信頼できるツールの活用を心がけましょう。

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