為替市場では、通貨ペアごとに特定の相関関係が存在します。特にドル円(USD/JPY)とユーロ円(EUR/JPY)は似たような動きをすることが多く、これには明確な理由があります。では、ドル円と逆の動きをしやすい円の通貨ペアとは何なのでしょうか?この記事ではそのメカニズムを丁寧に解説し、投資判断にも役立つ情報をお届けします。
なぜドル円とユーロ円は似た動きをするのか?
ドル円とユーロ円は、どちらも「円を売る」構造の通貨ペアです。つまり、円が売られて他の通貨(ドルやユーロ)が買われる構造であるため、「リスクオン局面で円安になる」という共通の値動きを示します。
たとえば、世界的に株高や経済の好材料が出ると、投資家はリスク資産に資金を移し、安全資産とされる円を売る傾向があります。その結果、ドル円もユーロ円も同時に上昇(=円安)しやすくなります。
ドル円と逆の動きをする可能性がある通貨ペア
一方で、ドル円と逆相関しやすい通貨ペアの代表例がユーロドル(EUR/USD)です。これは「ユーロを買い、ドルを売る」構造であり、ドル円が上昇(=ドル高)するとユーロドルは下落(=ドル高ユーロ安)しやすくなる傾向があります。
また、豪ドル円(AUD/JPY)や南アフリカランド円(ZAR/JPY)などの高金利通貨も時には逆の動きを見せることがありますが、これは商品価格や地政学リスク、金利差の影響を受けやすいため、単純な逆相関とは限りません。
実際の相関係数で見る通貨の動き
実際の為替相関を数値で示す「相関係数(-1〜+1)」で分析すると、以下のような傾向があります。
通貨ペア | ドル円との相関係数(過去1年) |
---|---|
ユーロ円(EUR/JPY) | +0.85 |
ポンド円(GBP/JPY) | +0.80 |
ユーロドル(EUR/USD) | -0.70 |
このように、ユーロドルはドル円と逆の動きをしやすい代表的な通貨ペアです。
投資戦略に活かす:ヘッジや分散の視点で
ドル円に対してヘッジを考えるなら、ユーロドルのポジションを持つのが有効な戦略となる場合があります。また、円絡みで分散を意識するなら、同方向に動くユーロ円やポンド円ではなく、資源国通貨(豪ドル、カナダドルなど)との組み合わせも一考の価値があります。
ただし、実際の相場は複数のファクターが絡むため、相関関係も時間とともに変動します。必ずリアルタイムのチャートや経済指標、地政学的リスクなども踏まえて総合判断しましょう。
まとめ:相関を理解することで為替投資が一段深くなる
ドル円とユーロ円が似た動きをするのは、どちらも「円売り」の構造を持つからです。逆に、ドル円と逆の値動きを示しやすいのは「ドル売り・他通貨買い」であるユーロドルです。
為替相場では、「どの通貨を買ってどの通貨を売るか」が常に重要な視点です。相関性を活用することで、リスク管理やポートフォリオ分散にも役立てることができます。FX初心者から中上級者まで、この知識を武器に戦略を立ててみましょう。

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