銀行は金利が高いと儲かるのか?利ザヤと金利環境の関係を徹底解説

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金利の上昇は私たちのローンや預金金利に影響を与えるだけでなく、銀行の経営にも大きな影響を与えます。では、銀行にとって金利が高い方が本当に「儲かる」のでしょうか?この記事では、銀行の収益構造や利ザヤの仕組みをもとに、わかりやすく解説していきます。

銀行の儲けのカギは「利ザヤ」にある

銀行は、預金者から預かったお金を企業や個人に貸し出すことで利益を上げています。このとき、貸出金利から預金金利を差し引いた差が「利ザヤ(利鞘)」と呼ばれます。

たとえば、貸出金利が年3%で、預金金利が年0.2%なら、利ザヤは約2.8%となり、この差が銀行の利益の源泉となります。

金利が上がると銀行の利益が増える理由

一般的に、金利が上昇すると貸出金利も上がります。銀行は市場金利の上昇に合わせてローン金利を素早く引き上げることができますが、預金金利は比較的ゆっくりとしか上がらない傾向にあります。

このため、短期的には利ザヤが拡大しやすくなり、結果的に銀行の利益も増加します。これが「金利が高い方が銀行は儲かる」と言われる背景です。

預金金利にルールはあるのか?

銀行が預金金利をどれだけつけるかについて、法的な義務はありません。ただし、市場金利や競争、日銀の政策金利などを参考に設定されます。

つまり、金利が上がっても預金金利を引き上げる義務はなく、各銀行の経営判断によって決められるのです。特に日本のような長期低金利の国では、預金金利が上がるスピードは非常に緩やかです。

金利上昇が銀行にとって必ずしもプラスとは限らない理由

金利が高くなると貸出金利も上昇しますが、それによって借り手の返済負担が増し、貸し倒れリスクが高まる可能性もあります。これが銀行経営にとってのリスク要因となります。

また、金利が急激に上がると、保有する債券の価格が下落することで評価損が発生し、銀行の財務に影響するケースもあります。

実例:2022年以降のアメリカの銀行収益の動き

アメリカでは2022年から金利が急上昇しました。これにより、多くの銀行が利ザヤの拡大で収益を伸ばしましたが、一部の地域銀行では債券の評価損や預金流出による資金繰りの問題が発生し、経営不安に陥った例もあります。

このことからも、金利が高ければ必ずしも銀行が「儲かる」とは限らないという点に注意が必要です。

まとめ:銀行は金利が高い方が一時的に有利だがリスクもある

結論として、銀行は金利が高い方が貸出金利を上げやすく、預金金利の上昇が緩やかであれば利ザヤが拡大しやすくなるため、利益を上げやすくなります。しかし、金利上昇には貸し倒れリスクや保有資産の評価損といったリスクもあるため、単純に「高金利=銀行の勝ち」とは言い切れないのが現実です。

金利動向と銀行の収益構造を理解することは、資産運用や銀行選びにも役立つ重要な視点となります。

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