今こそ注目?米国債10年物の魅力と為替リスクの現実的なシナリオを解説

経済、景気

近年、米国の金利上昇を背景に、個人投資家の間でも「米国債」の購入が話題になっています。中でも10年物の米国債は、比較的高利回りかつ安全性の高い運用対象として注目されています。しかし、その利益は為替相場の影響を大きく受けるため、円高リスクを無視することはできません。本記事では、米国債投資の基本から、1ドル100円以下になる可能性を含めた為替の見通し、リスクとリターンのバランスについて詳しく解説します。

米国債10年物の基本と魅力とは?

米国債(U.S. Treasury Bonds)は、米国政府が発行する国債であり、世界的にも最も信用力の高い債券とされています。10年債は中長期の運用先として、安定した利回りが期待でき、現在は4〜5%程度の利回りが見込まれています(2025年時点)。

例えば、1ドル150円の為替レートで購入した場合、為替変動がなければ日本円ベースで年4〜5%の利回りを享受できます。特に国内の金利が依然として低い日本においては、非常に魅力的な利回りと言えるでしょう。

為替リスクとは?円高が利益を相殺する可能性

米国債を日本円で購入・保有する場合、利回りとは別に「為替変動リスク」がつきまといます。たとえば、購入時は1ドル150円でも、償還時に1ドル100円まで円高が進んだ場合、為替差損が発生し、利息分の利益が相殺されるどころか、元本割れのリスクすらあります。

逆に、円安が進行すれば、為替差益によりさらに利益が拡大する可能性もあります。この点は、為替ヘッジの有無や投資期間にも大きく左右されます。

1ドル=100円以下の可能性は現実的か?

2020年代に入り、米ドル/円相場は概ね140円前後で推移していますが、過去には1ドル=100円以下の円高も何度か発生しています(例:2011年の東日本大震災後など)。そのため、「絶対に100円を割らない」と断言することはできません。

特に、世界的な金融不安やアメリカ経済の景気後退、日銀の政策転換などが複合的に起こった場合、円高の圧力がかかることも十分考えられます。

米国債投資のメリットとデメリットを整理

  • メリット:安定した利回り/信用力の高い発行体/インフレ耐性がある
  • デメリット:為替リスクが大きい/金利変動により債券価格が上下する/流動性が日本国内債より劣る

特に初心者にとっては、「外貨建て資産への分散投資」という観点で米国債は魅力的ですが、ヘッジ付きか否か、購入する通貨(外貨建てor円貨建て)によってリスクが変化する点には注意が必要です。

初心者が取るべき投資戦略と実例

例として、Aさんは2024年に為替150円のタイミングで米国10年債を100万円相当分購入しました。年間利息はおよそ4%(税引前)で、円安が進めば円換算の利益も増える一方、償還時に為替が100円に戻っていた場合、約30%の為替損が発生します。これは10年分の利息をすべて帳消しにする計算です。

このため、初心者は「為替ヘッジ付き」商品や「分散して複数タイミングで購入」することでリスクを平準化することが重要です。また、外貨建て資産の保有比率も全資産の20%程度までにとどめておくと安全性が増します。

まとめ:米国債は有力だが、為替リスクには備えを

米国10年債は今の金利水準から見れば非常に魅力的な投資先です。しかし、円高リスクという落とし穴があることを忘れてはいけません。特に「1ドル100円以下」の可能性も想定して、為替ヘッジの有無やポートフォリオ全体でのリスク管理を徹底しましょう。分散投資や専門家のアドバイスを得ながら、長期的視点で着実な資産形成を目指すことが大切です。

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