最近、スーパーや飲食店で「値上げしすぎでは?」と感じる方も多いのではないでしょうか。にもかかわらず、政府が公表するインフレ率は「3.5%程度」と発表されていることに疑問を抱くのは自然な感覚です。この記事では、インフレ率の計算方法や、実際の肌感覚とのズレが生じる理由をわかりやすく解説します。
インフレ率とは何か?
インフレ率とは、物価全体の上昇率を示す指標です。日本では主に「消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)」を使って計測されます。これは、政府が定めた一定の品目・サービス(標準的な消費者が買うもの)の価格の平均変動を示したものです。
たとえば、食料、衣料、住居、光熱費、医療、教育、交通など、幅広いカテゴリが対象になっています。毎月、総務省がデータを集計し、対前年同月比での上昇率として発表します。
なぜ肌感覚とズレがあるのか?
「100円だったものが200円以上に!」といった実感と、3.5%という公式インフレ率のギャップ。その理由は以下の通りです。
- インフレ率は全体平均:特定の商品が50%以上値上がりしていても、他の商品が据え置き、あるいは値下がりしていれば、全体の平均では3%程度の上昇に留まることがあります。
- 個人の消費パターンと異なる:たとえば一人暮らしで外食が多い人は、外食費の値上がりが家計に直接響く一方、CPIでは外食費はごく一部の構成要素にすぎません。
- 新製品や容量変更は反映されにくい:「実質値上げ(ステルス値上げ)」など、内容量を減らして価格を据え置くケースは、CPIに反映されにくいこともあります。
消費者物価指数の計算方法
CPIの計算には「基準年」が定められており、2020年などを100とした場合に、現在の指数がいくらかを見る形で算出されます。たとえば、CPIが103.5であれば、基準年より3.5%物価が上がったという意味です。
計算式は以下の通りです。インフレ率(%)=(今年のCPI − 去年のCPI)÷ 去年のCPI × 100
実際に値上がりしているものの例
消費者が強く「物価上昇」を感じるのは、日々買う食品や日用品の価格が変わったときです。特に目立つのが次のような品目です。
- 卵:ここ数年で1パック200円超え
- 食用油:1Lあたり2倍近い値上げ
- 菓子パンやスナック菓子:容量が減って実質値上げ
- ランチの定食:700円台→900円台へ
このような実感は、インフレ率の「平均化された数字」との乖離を生みやすくしています。
体感インフレに近い指標も存在する
実は、総務省が発表するCPI以外にも、「食料品のみ」や「生鮮食品を除く総合」など、複数の指標が発表されています。
また、「体感インフレ」を補完するために、民間の研究機関や経済メディアが独自に「生活インフレ率」や「日常品インフレ率」などを公表しているケースもあります。これらをチェックすることで、より自分の生活実感に近い数字を得ることができます。
まとめ:公表されるインフレ率を正しく理解しよう
政府が公表するインフレ率(CPI)はあくまで全体の平均であり、個々人の生活実感とは必ずしも一致しません。特定の品目に注目すると大きく感じる一方で、他の価格が抑えられている場合もあります。
自分の生活スタイルに合った指標に目を向けることで、「なぜこんなに高くなった?」という疑問を冷静に整理できるようになります。日常の感覚と経済統計の違いを理解することは、家計管理や投資判断にもつながる大切な知識です。

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