「手数を増やして勝てるなら稼げる」は一見正しそうに見えますが、実際のトレードではそれほど単純ではありません。勝率やリスクリワード、期待値などの基本を押さえることで、手数を増やすことのメリットと落とし穴が見えてきます。
手数を増やすと本当に稼げるのか?
理論上、期待値がプラスのトレードを繰り返せば、手数を増やすほど利益は伸びます。しかし、その前提には「一貫した勝率・手法の優位性」が不可欠です。
勝率50%・リスクリワード比1:2の手法なら、長期的には有利ですが、ランダムな短期の勝ち負けに感情が左右されると、かえって損失が膨らみます。
期待値という概念を理解しよう
トレード1回あたりの平均的な利益=期待値(Expected Value)です。
たとえば:期待値 = 勝率 × 平均利益 - 負け率 × 平均損失
この期待値がプラスであれば、手数を増やすほど理論的に収益は増えます。
逆に期待値がマイナスなら、手数を増やした分だけ損が積み上がります。手数を増やす前に、まず手法の期待値を計測することが大切です。
手数が増えることで生じるデメリット
手数を増やすことで次のようなリスクも増加します。
- スプレッドや手数料コストの累積
- 感情的なトレードが増える(エントリー依存)
- エッジの低い相場でも無理に入ってしまう
つまり、「やれる場面だけ厳選する」視点も忘れてはならないということです。
手数を増やしても勝ち続けるための条件
次のようなルールを徹底しているトレーダーは手数を増やしても安定します。
- 期待値が明確にプラスの手法を使っている
- トレード記録を取り、統計的に管理している
- 資金管理(1回あたりリスク固定など)が適切
これらができていない状態で単純にトレード回数を増やすと、「負ける回数も倍増」してしまうので注意が必要です。
実例:手数を増やしすぎて資金が減ったケース
ある短期デイトレーダーは、勝率60%・平均利益5,000円・平均損失7,000円という手法を使っていました。一見悪くなさそうに見えますが、期待値はマイナス。
1日30回以上エントリーしていたため、1ヶ月で累計損失30万円以上に…。「勝率がそこそこでも、リスクリワードと手数が噛み合っていなければ、破綻する」という好例です。
まとめ:手数を増やすのは「結果」ではなく「手法の質」のあと
✔ 手数を増やしても、勝てなければ利益は出ない
✔ まずは手法の期待値・再現性を明確に
✔ エントリー数=トレードの質とは限らない
✔ 手数を増やすなら、記録と検証で裏打ちされたルールが前提
トレードの本質は「いい手を見極めて打つ」こと。手数を増やせば稼げる、という幻想を捨て、堅実なロジックと管理が鍵となります。

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