近年、配当利回りに着目した投資家から注目を集めている「配当貴族」シリーズのETF。その中でも東京証券取引所に上場している「364A」は「配当貴族」に関連する銘柄として知られていますが、一部の投資家の間では「配当が出ないのでは?」という疑問も挙がっています。本記事ではこのETFの仕組みや特徴、購入前に確認すべきポイントについて詳しく解説します。
そもそも配当貴族とは何か?
「配当貴族」とは、一般に「25年以上連続で増配を続けている米国企業」で構成される株式群のことを指します。代表的な指数は「S&P 500 Dividend Aristocrats Index(配当貴族指数)」です。長期にわたり安定した利益と株主還元を続けている優良企業が多く含まれており、守りの投資先として人気を集めています。
日本国内でもこの配当貴族指数に連動するETFがいくつか上場しており、コード「364A」もその一つとされています。
364Aは本当に「配当」が出ないのか?
「配当貴族」銘柄に投資しているにもかかわらず、「364Aは配当金が出ない」と言われる理由は、分配金を出さない再投資型(インカム再投資)のETFであるためです。
ETFによっては、受け取った配当を投資家に分配する「分配型」と、配当金を再投資して基準価額に反映させる「無分配型」があります。364Aは後者であるため、実際には配当収益を受け取っていても、それを投資家に現金として渡すことはありません。
再投資型ETFのメリットとデメリット
再投資型の最大のメリットは、複利効果が期待できることです。配当金が自動的に再投資されるため、手間なく資産を効率的に増やすことができます。また、課税タイミングが繰り延べられるため、税制面でも有利な場合があります。
一方、デメリットとしては、配当金を現金で受け取ることができず、インカムゲインを目的とする投資家には不向きです。老後の生活資金など、定期的な収入を期待する投資戦略にはマッチしないこともあります。
配当狙いなら他のETFを検討すべき?
定期的に配当収入を得たい投資家は、iシェアーズ・米国高配当株ETF(HDV)や、SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)といった分配型ETFを検討するとよいでしょう。
これらのETFは年に複数回の配当があり、配当利回りも比較的高い水準にあるため、インカムゲインを重視する投資家に適しています。
購入前に確認すべきポイント
- ETFの「分配方針(配当あり・なし)」
- 連動する指数の内容と過去のパフォーマンス
- 信託報酬などの手数料
- 為替リスク(外国株ETFの場合)
ETFは投資信託よりも手数料が安く、透明性が高いという特徴がありますが、細かな仕様を理解せずに購入してしまうと、意図しない運用結果になってしまう可能性もあります。
まとめ:目的に応じたETF選びが重要
364A(配当貴族)ETFは、連続増配企業への分散投資という魅力がありますが、分配金が出ない再投資型である点には注意が必要です。配当金が欲しいのか、資産の成長を重視したいのか、自分の投資目的に合ったETFを選ぶことが大切です。
長期目線で成長重視なら364Aは有望な選択肢の一つですが、インカムゲイン重視なら他のETFとの比較検討をおすすめします。

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