近年のインフレ懸念や世界的な経済不安の高まりを背景に、「金(ゴールド)」への投資が再び注目を集めています。すでに投資信託で金を積み立てている方の中には、より機動的に運用できる金ETFへの切り替えを検討するケースも増えています。本記事では、金の積立投資信託とETFそれぞれの特徴を比較しながら、切り替えの判断材料を解説します。
金の投資信託とETFの違いとは?
金に投資する方法として、主に「金連動型投資信託」と「金ETF」があります。投資信託は運用会社が一定の管理報酬を取って長期運用を前提とした商品であり、毎月積立のような自動投資との相性が良いのが特徴です。
一方、ETF(上場投資信託)は株式と同様に証券取引所でリアルタイムに売買できるため、流動性に優れており、短中期での柔軟な売買や、リバランスのしやすさが魅力です。
金ETFに切り替えるメリット
ETFに切り替える主な利点は、以下の通りです。
- 売買タイミングを自分で決められる
- 投資コスト(信託報酬)が低い
- 一部の商品では現物金との交換が可能
たとえば「SPDRゴールド・シェア(GLD)」や「純金上場信託(1540)」などは、日本でも人気が高く、少額から取引可能です。
注意すべきデメリットとリスク
金ETFにも当然デメリットはあります。たとえば、ETFは証券口座での取り扱いになるため、自動積立ができない、または設定が面倒であったり、日中の価格変動に神経質になることもあります。
さらに、ETFによっては金価格とは別に為替の影響(米ドル建てETFなど)を受ける場合もあり、想定外の損益が生じる可能性があります。特に為替リスクが発生する海外ETFには注意が必要です。
投信とETFの併用という選択肢
すべてをETFに切り替えるのではなく、一部をETF、残りは引き続き投信で積立という併用戦略もあります。これにより、積立の継続性と売買の柔軟性を両立できます。
たとえば、毎月1万円を投信で積み立てつつ、タイミングを見てETFで追加購入するスタイルは、リスク分散にもつながります。
現時点での売却判断のポイント
「まあまあの金額がたまった」状況で、利確を検討する場合は以下の点をチェックしましょう。
- 金価格の長期的なトレンド
- 現在の含み益と税金(特定口座かどうか)
- 今後の資産配分とライフプラン
特に50代以降の投資判断は、老後資金とのバランスが大切です。利益確定の一部実行や、元本保証型商品への一部移行も検討の余地があります。
おすすめの金ETFと比較ポイント
代表的な金ETFには以下のような商品があります。
ETF名 | 証券コード | 信託報酬 |
---|---|---|
純金上場信託 | 1540 | 0.40%程度 |
SPDR ゴールド・シェア | GLD | 0.40% |
iシェアーズ ゴールド トラスト | IAU | 0.25% |
国内ETFは為替リスクを避けられる一方で、海外ETFはコストが低い場合があります。ご自身の口座や取引環境に合った商品を選びましょう。
まとめ:自分の目的と相性の良い手法を
投信からETFへの切り替えには明確なメリットがありますが、それがすべての投資家にとって最適とは限りません。積立継続性を重視するなら投信のままでも良いですし、柔軟な運用やコスト削減を重視するならETFが有効です。
「なぜ金を持つのか?」という目的を明確にし、自分の投資スタイルに合った運用方法を選ぶことが何より重要です。

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