近年、金価格の上昇が注目されており、1グラムあたり17,000円を超える日もあります。では、その金の価格はどのように決まっているのでしょうか?この記事では、金価格の決定プロセスや価格に影響を与える要因、そして投資におけるポイントをわかりやすく解説します。
金の価格はどこで決まっているのか?
金の国際価格は主に「ロンドン貴金属市場協会(LBMA)」で決まります。ここでは「ロンドン金価格(London Fix)」という基準価格が毎営業日2回(午前と午後)設定されており、世界中の金融機関や投資家がこの価格を基に取引しています。
日本国内では、田中貴金属や徳力本店、三菱マテリアルなどがこの国際価格に為替レートを加味して、日本円建ての価格を決定しています。
金の価格に影響を与える主な要因
金の価格は様々な要因によって変動します。代表的なものを以下に挙げます。
- 米ドルの為替レート:金は米ドル建てで取引されるため、円安になると日本円での金価格は上昇します。
- 地政学リスクや金融不安:戦争、災害、金融危機などの不安が高まると、「安全資産」として金の需要が高まり、価格が上がります。
- 金利動向:金は利息を生まない資産のため、金利が低い時期ほど金が好まれ、価格が上昇する傾向があります。
金価格の表示単位とその意味
日本国内で表示される金価格は主に「1グラムあたり」で表記されます。一方、国際市場では「トロイオンス(約31.1g)」単位で価格が提示されます。
たとえば、国際市場で金が1,900ドル/トロイオンスで、日本の為替レートが1ドル=145円だとすると、日本円での価格は約8,900円/gになりますが、そこに企業の手数料や輸送コストが加算されて表示価格になります。
田中貴金属など国内業者による価格の決定方法
日本の大手貴金属販売会社では、午前10時ごろにその日の販売価格と買取価格が更新されます。これは、前述のロンドン金価格と当日の為替レートをもとに、日本独自の指標価格として反映されます。
たとえば、田中貴金属のサイトには「販売価格」「買取価格」「前日比」などが毎日掲載されており、個人投資家が購入判断を行う際の目安となっています。
実例:2024年7月の価格動向と背景
2024年7月現在、金価格は1グラムあたり17,605円と高値圏にあります。背景には以下のような要因があります。
- 世界的なインフレ懸念と米国の利下げ観測
- ロシア・ウクライナ情勢や中国の経済不安定化
- 日本国内の円安進行(1ドル=160円近辺)
これらが複合的に絡み合い、投資家の「金回帰」が起きているのです。
まとめ:金価格は世界の経済と心理で動く
金の価格は単に「希少価値があるから」ではなく、国際相場・為替レート・経済不安など複数の要素によって変動します。日々の価格チェックだけでなく、それがなぜ動いているのかを理解することで、より賢い資産運用が可能になります。
初心者の方も、まずは価格の決定構造と影響要因を理解するところから始めましょう。

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